【解説】ベトナム人の平均年収はどのくらい?生活費にはどのくらい必要?

外国人労働者 2022.10.14

【解説】ベトナム人の平均年収はどのくらい?生活費にはどのくらい必要?

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ベトナム人は日本人の平均年収よりも低い傾向にあります。本記事では、ベトナム人の平均年収を徹底解説しています。記事を読めばベトナムの平均年収だけでなく最低賃金や生活費についても理解が深まるでしょう。

ベトナムの平均年収はいくら?

日本貿易振興機構(JETRO)が発表した2022年のベトナムの1人当たりの月間平均所得は、660万ドンでした。

1ドンを日本円で0.005円として換算した場合、平均月収はおよそ33,000円で、平均年収にすると396,000円になります。

 

日本と比較すると平均年収は低いですが、近年賃金は上昇傾向にあります。

実際にJETROによる調査資料によると、2019年よりも大幅に賃金が上がっていることが分かります。[注1]

[注1]日本貿易振興機構(JETRO)|ジェトロ「ビジネス短信」添付資料

 

 

賃金が上昇傾向にある要因としては、2022年7月1日から最低賃金を月額で平均6%引き上げたことが挙げられます。[注2]

改定は2020年1月に平均5.5%引き上げて以来2年半ぶりとなり、大きな影響を与えたと言えます。

また、2022年3月からの入国制限緩和に伴う外国人観光客の受け入れ増加を行ったことも要因の1つでしょう。[注3]

 

[注2]日本貿易振興機構(JETRO)「最低賃金を6%引き上げ、7月からの実施が決定」

[注3]日本貿易振興機構(JETRO)「ベトナム、入国後の規制措置を緩和、検査・隔離が不要に」

賃金の高い地域別の平均月収

ベトナムの主要地域と比較すると農村部や山間部では賃金に格差があります。

主要地域である地域の平均月収は下記の通りです。[注4]

 

市・省

平均月収

日本円に換算(1ドン=0.005円とする)

ベトナム全体

660万ドン

33,000円

南部ホーチミン市

910万ドン

45,500円

南部ビンズオン省

890万ドン

44,500円

北部ハノイ市

870万ドン

43,500円

南部ドンナイ省

860万ドン

43,000円

北部バクニン省

830万ドン

41,500円

 

ベトナム全体の平均月収と比較すると、上位5つの地域と約300万ドンもの差が生じています。

上記のデータからも、ベトナムの地域によって賃金に格差があることが分かります。

 

[注4]日本貿易振興機構(JETRO)「雇用はサービス業中心に微増、平均月収の増加続く」

2022年7月よりベトナムの最低賃金が引き上げに

ベトナムでは、2008年から2020年まで最低賃金の引き上げが行われていましたが、2020年から2021年は新型コロナウイルスによる経済の影響が考慮され、最低賃金が据え置きとなりました。

しかし2022年7月、約2年ぶりに最低賃金の引き上げが行われ、約6%の引き上げがされることに。最低賃金が引き上げられたことで、地域ごとに最低賃金が下記のように変わりました。[注5]

 

地域

(該当する地域例)

現行

2020年1月に施行された最低賃金

改定後

2022年7月以降の最低賃金

上昇率

地域1

(ハノイ市、ハイフォン市、ホーチミン市など)

442万ドン

468万ドン

5.9%

地域2

(ダナン市、バクニン省など)

392万ドン

416万ドン

6.1%

地域3

(ハナム省など)

343万ドン

364万ドン

6.1%

地域4

(上記以外の地域)

307万ドン

325万ドン

5.9%

どの地域でも最低賃金が6%上昇しましたが、ベトナムでは物価の上昇もしているため、決して生活が楽になったとは言えないでしょう。

 

[注5]日本貿易振興機構(JETRO)「最低賃金を6%引き上げ、7月からの実施が決定」

ベトナムの生活費はどのくらい必要?

ベトナムの平均月収は、年々上昇傾向にあるものの、依然として日本や近隣国と比較すると低い推移となっています。

とはいえ、ベトナムで生活するための費用が安ければ、特に問題はありません。

 

世界の生活情報を比較するデータサイトである「Numbeo」では、世界各都市の物価を比較したデータを収集しています。このデータでは、アメリカ合衆国・ニューヨークを比較水準として、生活費を比較しています。上記サイトで東京・日本と、ベトナムの各地域を比較したところ、下記の結果となりました。[注6]

 

地域

生活費の比較水準

アメリカ合衆国・ニューヨーク

100

東京・日本

67

ベトナム・ホーチミン

29

ダナン

26

ハノイ

25

 

 

ニューヨークを水準に日本と比較した時に、ベトナムは日本の約3分の1となりました。

上記の結果から日本と同等の賃金を稼がなくても、ベトナムである程度の生活をしていけることが分かります。

 

[注6]Numbeo「Asia: Cost of Living Plus Rent Index by City 2021 Mid-Year」

【まとめ】

ベトナムの賃金は上昇傾向にある

ベトナムの1人当たりの月間平均所得は、2022年で660万ドンでした。

1ドンを日本円で0.005円として換算した場合、月収はおよそ33,000円となり平均年収にすると396,000円になります。

 

日本と比較すると平均年収は低いですが、同様に生活費も日本の3分の1となっているため、ある程度の生活はしていけると伺えます。

 

ベトナムでは、2022年7月には約2年ぶりに最低賃金の引き上げが行われました。年々賃金は上昇傾向にあるので、今後の経済成長に注目していきましょう。

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