不法就労の外国人を雇用してしまったらどうすれば?リスクと回避方法について解説

外国人労働者 2023.08.11

不法就労の外国人を雇用してしまったらどうすれば?リスクと回避方法について解説

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外国人労働者を雇用している企業の場合、不法就労の外国人を知らずに雇用してしまうという懸念があるかもしれません。不法就労の外国人と知っていながら雇用するのは悪質ですが、知らずに雇用してしまった場合にも罰則などはあるのでしょうか。

 

当記事では、不法就労の外国人を雇用してしまうリスクと回避する方法について解説します。

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不法就労となる3つのケース

外国人が不法就労となってしまうケースは主に3つ考えられます。企業としては、どのようなケースが不法就労となるのかを熟知しておき、外国人を雇用する際に不法就労に該当しないかどうかをチェックする必要があるでしょう。

 

それでは、外国人が不法就労と見なされる3つのケースを見ていきましょう。

1.不法滞在者・被退去強制者が就労するケース

不法就労の1つ目は、不法滞在者や被退去強制者が企業で働くケースです。

特にオーバーステイしている外国人がそのまま日本で働くという可能性があります。

 

日本に入国する外国人は、滞在理由に合った在留資格を取得しなければなりません。在留資格を取得した外国人であっても、決められた在留期限までに日本を出国することが求められます。在留期限の延長が認められていなければ。母国へ帰国、もしくは第三国へ出国しなければなりません。

 

在留期限が過ぎてしまったのに働き続けている外国人は不法就労となります。また、母国への強制退去が決まっている外国人が収入を得て働くことも不法就労にあたります。当然ですが、そもそも在留資格を持たない、違法な入国者が働くことも不法就労です。

2.就労許可が出ていないのに就労するケース

不法就労の2つ目のケースとして、在留資格は得ているけれど就労許可が出ていないまま働いているパターンです。

日本に入国・滞在するための在留資格には29個の種類がありますが、その中で就労が認められているのは24個です。(※)

 

観光目的の短期滞在ビザで入国している外国人はもちろん、家族滞在や留学、研修ビザで入国している外国人も就労できません。就労許可が出ていない外国人が働くことは不法就労であり、受け入れ企業も処罰の対象となります。

 

※出典:在留資格一覧表|出入国在留管理庁

3.許可された範囲を超えて就労するケース

不法就労の3つ目は、許可された範囲を超えて就労しているケースです。前述のとおり、就労が認められている資格は24個あります。しかしその中の在留資格であれば、すべての外国人がどの仕事をしても良いわけではありません。

それぞれの在留資格に該当する活動が定められており、その範囲内で就労しなければならないのです。

 

たとえば「技能ビザ」は「産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」という枠の中で就労しなければなりません。具体的には、外国料理の調理師などが挙げられます。

 

また「企業内転勤ビザ」は日本企業の海外支店から日本へ転勤してきた外国人に適用されます。企業内転勤ビザは理学、工学、自然科学、法律学、経済学、社会学などの分野に属する技術・知識を要する業務が行えるのです。

 

こうした制限を超えて就労した場合には不法就労となります。何の制限もなく就労できる在留資格は永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4つだけなので注意しましょう。(※)

 

※出典:外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。|厚生労働省

不法就労の外国人を雇用してしまうリスク

不法就労の外国人労働者を雇用してしまうことは、企業にとって大きなリスクです。不法就労の外国人を雇用してしまうことがないように細心の注意を払わなければなりません。

 

本項目では不法就労の外国人労働者を雇用した場合のリスクを大きく2つに分けて解説します。

1.不法就労助長罪

不法就労の外国人労働者を雇用してしまった場合、雇用主は不法就労助長罪に問われる恐れがあります。不法就労助長罪とは、不法就労をさせたり、関係する場所を提供したりすることに対して適用される罪です。最長3年の懲役、最大300万円の罰金が適用されます。(※)

 

注意すべきなのは、不法就労の外国人を雇用した企業の経営者や店舗責任者や人事責任者も罰則の対象になる点です。

人事責任者が不法就労の外国人を雇用し、店舗責任者が何も知らずにその外国人を働かせていたとしても不法就労助長罪が適用される恐れがあります。

 

加えて、フリーランサーやパラレルワーカーにも注意しなければなりません。現在では、正社員やパート・アルバイトとして雇用しなくても、フリーランサーやパラレルワーカーに業務を外注することが多くなりました。就労許可が出ていない外国人のフリーランサーやパラレルワーカーに業務を依頼して報酬を支払った場合、不法就労助長罪に問われる可能性があります。

 

不法就労助長罪には仕事のあっせんが含まれており、業務の外注があっせんと見なされることがあるからです。インターネットのフリーランスプラットフォームを使って業務を委託する場合、外国人の在留資格を調べるのは簡単ではありませんが、リスクを考慮すると、在留資格を確認しておくのが賢明です。

 

※出典:出入国管理及び難民認定法(第七十三条の二)|e-Gov法令検索

2.営利目的在留資格等不正取得助長罪

不法就労の外国人を雇用してしまったケースで、それが悪質と見なされれば、営利目的在留資格等不正取得助長罪が適用されることがあります。

営利目的在留資格等不正取得助長罪の罰則は、不法就労助長罪と同様、最大3年の懲役、最大300万円の罰金です。(※)

営利目的在留資格等不正取得助長罪とは、営利を目的として外国人が在留資格を不正取得するのをサポートした場合に適用される罪です。

 

在留資格の不正取得をサポートするなどあり得ないと考える方もいますが、入管法には「偽りその他不正の手段」を用いた場合に適用されると明記されています。(※)

 

雇用主がたいしたことではないと考えていても、「偽りその他不正の手段」と見なされて処罰されることが十分考えられます。たとえば、ビザを申請する書類を作成している行政書士が、ある外国人の従事している仕事を飲食店の単純業務から専門的な翻訳業務と偽って記載した場合には、営利目的在留資格等不正取得助長罪に問われるでしょう。

 

注意が必要なのは、雇用主が不法就労を見て見ぬふりをしたといったケースでも営利目的在留資格等不正取得助長罪が適用されるかもしれない点です。思わぬところで罪に問われることがないよう、十分注意しましょう。

※出典:出入国管理及び難民認定法(第七十四条の六)|e-Gov法令検索

※出典:出入国管理及び難民認定法(第七十条の二の二)|e-Gov法令検索

「知らなかった」では済まされない

不法就労の外国人労働者を雇用してしまった雇用主の方の言い分として、「知らなかった」ということがよく挙げられます。たとえば、不法就労に関するルールを知らなかったり、外国人の就労許可の有無の調べ方を知らなかったりするかもしれません。雇用した外国人が不法就労だとは知らなったというケースもあるでしょう。

 

しかし基本的には不法就労の外国人を雇用した場合、企業や雇用主が処罰を免れるのは困難です。

外国人を雇用する際に在留カードを見て在留資格を確認することは雇用主や企業の義務なので、単に確認不足と見なされてしまうでしょう。「知らなった」というのが真実であれ嘘であれ、不法就労の外国人を雇用してしまえば処罰の対象になるリスクはかなり高いと考えるべきです。

不法就労の外国人を雇用しないための回避方法

不法就労の外国人労働者を雇用しないように、企業側は事前に細心の注意を払う必要があります。

 

ここからは、不法就労の外国人労働者を雇用しないための2つのポイントを見ていきましょう。

1.雇用前の身分確認を行う

雇用主に義務付けられていることでもありますが、外国人を雇う前に徹底的に身分確認を行うようにしましょう。企業側が身分確認を怠っていると、万が一、不法就労の外国人を雇用してしまった場合に言い逃れできなくなります。

 

また雇用前の身分確認は、事業主である企業側の責務です。厚生労働省は、企業側が在留カード、旅券の提示を求め、在留資格・期間、在留期限、資格外活動許可の有無等を確認し、適切に届け出ることが不法就労の防止につながるとしています。(※)

 

逆に雇用前の身分確認をしっかり行ったことを記録にとっておき、証拠として提出できれば、処罰を受けずに済む場合があるかもしれません。身分確認を行った場合には、必ず資料を残しておきましょう。

 

※出典:外国人雇用はルールを守って適正に p.1〜8|厚生労働省

2.外国人雇用状況の届け出を行う

外国人を雇用する際に行うべき別の手続きが、外国人雇用状況の届け出です。営業所を管轄するハローワークに提出することが義務付けられています。外国人を雇用したら、雇用主はその外国人の氏名、在留資格、在留期間等について届け出をしなければなりません。

 

この届け出を怠ると、30万円以下の罰金に処せられる恐れがあるので注意しましょう。(※)当然ですが、外国人の在留資格や在留期間について虚偽の届け出を行っていた場合も処罰の対象です。雇用前の身分確認に加え、外国人雇用状況の届け出を行っていれば、不法就労の外国人を雇用してしまうリスクを最小限に抑えられるでしょう。

 

※出典:外国人雇用はルールを守って適正に p.18|厚生労働省

在留カードを確認する時の5つのポイント

不法就労の外国人を雇用してしまわないようにするために重要なのが在留カードの確認です。

在留カードには、外国人の氏名や住居地の他にも、在留資格や在留期間、有効期間なども記載されています。

 

では、どのようなポイントに気を付けて在留カードをチェックすればよいのでしょうか。

1.在留カードを持っているか

大前提として、在留カードを持っていない外国人を雇用しないようにしましょう。在留カードは基本常に持っておくように定められているものであり、カードを持っていない外国人は在留資格がない可能性が高いです。

外国人が在留カードのコピーしか提出しない場合には、雇用しないのが得策です。コピーは簡単に改ざんできるので、必ず在留カードの原本を確認しましょう。

 

在留カードの原本には、偽変造防止のためにICチップが搭載されており、カード中の全事項もしくは一部が記録されています。なお、在留カードには有効期限があるため、期限が切れていないことも必ず確認しなければなりません。(※)

※出典:「在留カード」はどういうカード?|厚生労働省

2.就労制限があるかどうか

在留カードを持っている外国人の場合でも、就労制限の欄を必ず確認するようにしてください。在留カードには「就労制限の有無」と書かれた欄があり、そこに「就労制限なし」「就労不可」などの文言が記載されています。「就労制限なし」の外国人の場合、雇用するのに特に問題はありません。

 

「就労不可」の場合には基本的に雇用はできません。資格外活動許可があれば例外的に雇用できる可能性がありますが、それでも従事する業務が資格外活動許可の範囲内であることを確認しなければなりません。

3.資格外活動許可の範囲を確認

在留カードの裏面には、資格外活動許可の欄があります。就労不可や在留資格に基づく就労活動のみ可能となっている外国人であっても、資格外活動許可の範囲内で就労が可能です。

資格外活動許可欄には、就労できる時間の制限や業務内容などが記載されています。もしくは、資格外活動許可書が発行されている場合もあるでしょう。いずれにしても、雇用主は資格外活動の範囲を把握した上で、で雇用できるかどうかを決定するようにしてください。

4.在留カードの偽造には要注意

残念ながら、在留カードの偽造は年々増加しています。在留カードを偽装されてしまうと、雇用主がきちんと確認していても不法就労の外国人を雇用してしまうことになりかねません。トラブルを未然に防ぐため、在留カードは入念に確認しましょう。

 

在留カードの偽造を見抜くためには、目視で判断するのが一番効果的です。在留カードには偽造防止の効果が盛り込まれているので、それをチェックしましょう。

 

たとえば証明写真に印字されている「MOJ」の文字は、在留カードを左右に傾けると3D的に動くように工夫されています。さらに在留カードを上下に傾けると、カードの左側の色が緑からピンクに変化するのも特徴です。カードの裏面には透かし文字があるので、裏面を見ながら表面に強い光を当てると文字が浮かび上がります。

 

在留カードは年々巧妙に偽造されているので、最新の偽造カードの傾向についてよく調べた上で確認するのが良いでしょう。

5.在留カード等読取アプリを使う

出入国在留管理庁では、在留カード等読取アプリケーションを無料配布しており、在留カードが偽造されていないかを確認できるようになっています。

在留カードや特別永住者証明書にはICチップが埋め込まれており、その情報をアプリで読み取ることで偽造でないか判別できるのです。

 

さらに、出入国在留管理庁在留カード等番号失効情報照会で、在留カード番号を調べるのも重要なポイントです。カード番号を検索すれば、該当する番号が失効していないか確認できます。

 

ただし、有効なカード番号を使った偽造在留カードもあるので注意しなければなりません。やはり目視で在留カードのチェックを行うのが確実な方法です。

不法就労の外国人を雇用してしまったら

雇用時に確認していたかどうかに関わらず、不法就労の外国人を雇用していることが分かったならすぐに行動に移す必要があります。問題を放置していると、不法就労助長罪などの罪に問われかねません。

 

では不法就労の外国人労働者を雇用していることが分かった場合にどうすべきか、2つのポイントをご紹介します。

1.不法就労の外国人を解雇する

まず、不法就労の外国人を解雇しなければなりません。ここでためらっていると、企業・雇用主側が不法就労助長罪に問われる可能性がどんどん高まっていきます。

もし不法就労の外国人でないか確認したのに、偽造の在留カードを使っていて気付かなかったのであれば、懲戒解雇処分にできる可能性が高いです。

 

一方、雇用主側が不法就労の外国人と知っていた、あるいは確認を怠った場合には、普通解雇になるでしょう。普通解雇では、30日前に解雇予告か30日分以上の平均賃金の支払いが必要です。(※)

 

※出典:労働契約の終了に関するルール|厚生労働省

2.出入国在留管理庁への出頭を促す

不法就労の外国人を雇用していた場合、出入国在留管理庁への出頭を促すようにしましょう。雇用主に通報の義務はありませんが、外国人本人のためにも良いといえます。

外国人が自ら出頭すれば、出国命令制度を活用できるからです。

出国命令制度とは、一定の条件をクリアすることで不法滞在者が身柄を拘束されずに出国できる制度です。丁寧に出国命令制度について説明すれば、出頭してくれる可能性も高まるかもしれません。

不法就労の外国人労働者を雇用しないように、事前の確認が重要

不法就労の外国人を雇用してしまった場合雇用主や企業も罪に問われてしまう場合があります。

そのようなリスクを負わないためにも、外国人労働者を雇用する前には、必ず在留資格や就労制限について在留カードで徹底的に確認し、記録を残しておくようにしましょう。

 

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