新設された育成就労制度とは?技能実習制度との違いや制度の特徴を解説

外国人労働者特定技能 2024.06.10

新設された育成就労制度とは?技能実習制度との違いや制度の特徴を解説

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日本では、深刻な人手不足が続いており、多くの企業が対応に苦慮しています。また、技能実習制度における問題点も浮き彫りになっており、外国人材にとって働きやすい環境作りが求められています。

こうした課題に対する解決策として、日本政府は2024年3月15日に技能実習制度に代わる「育成就労制度」を新設する法案を閣議決定しました。この新制度は、人手不足に悩む企業とキャリア形成を望む外国人材の双方にとって有益なものです。

本記事では、まず育成就労制度の概要と特徴を説明します。次に、企業や外国人材にとっての具体的なメリットを解説し、新制度がどのように課題解決に寄与するのかを詳しく見ていきます。

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1分でわかる、育成就労制度とは?

外国人材の雇用をおこなっている企業や雇用に関心が高い企業は、「育成就労制度」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、制度の内容は詳しくわかっていない人が多いのではないでしょうか?まずは、内容や制度が設立された背景について解説します。

育成就労制度は、技能実習制度に代わる新しい制度として2024年3月に閣議決定されたばかりの外国人材に関する制度です。

従来の技能実習制度は、日本で業務をおこなうことで知識や技術を身に着け、母国に持ち帰って経済発展に役立てていく国際貢献の推進が目的でした。一方、育成就労制度は、同じく国際貢献の側面を引き継ぎつつ、日本国内の労働力不足を解消することも目的となっています。

技能実習制度では、外国人材は通年して5年間日本で就労できますが、その後は母国に帰国することが義務付けられています。これに対して、育成就労制度では3年間日本で働き、その期間内に特定技能1号レベルのスキルを身につけることが方針として定められています。

※引用:改正法の概要(育成就労制度の創設等)|厚生労働省

この制度により、外国人材を雇用する企業は、育成しながら長期間雇用することが可能となり、安定した人材の定着が期待されます。

設立された背景

設立された背景としては、現行の制度が抱えていた複数の課題が関係しています。

先ほども触れたように、技能実習制度は国際貢献の推進が目的です。「技能実習法外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」では、基本理念として「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」と定められています。

しかし実際の現場では、人手不足を補うために利用されているケースも多く、劣悪な環境で働かされたり、法律に違反した労働条件で働かされたりなど、多くの問題が発生していました。人身取引に類似するケースも報告され、様々な悪用事例が指摘される中、国内外から多くの批判を受けていたのです。

また、相次ぐ失踪も大きな問題です。法務省が発表した「技能実習生の失踪者数の推移」によると、令和4年の失踪者数は9,006人となっており、失踪者数の増加は非常に深刻になっています。

このような問題が多発している経緯から、制度そのものの在り方が見直され、全面的な改正が必要となりました。そこから、国際的な基準に則った透明性の高い労働支援制度として、育成就労制度が設立されることになりました。

育成就労制度のピックアップと詳細解説

育成就労制度は外国人材が業務をおこないながら知識やスキルを身に着け、その知識やスキルをさらに向上させていく仕組みが整えられています。ここからは制度の具体的な特徴について解説します。

特定技能1号レベルの人材を育てていく方針

育成就労制度は、3年間で特定技能1号レベルの人材を育てていくことが方針として定められています。育成就労制度が開始された後も特定技能制度は今の制度が続き、育成就労制度は特定技能にステップアップするための資格になると想定されています。

特定技能1号を取得した後は、さらに高い知識やスキルが求められる2号を取得した場合、無期限の就労可能や家族帯同が可能となります。外国人材にとっても永続的に日本で働けることは、安定した生活と仕事を築くきっかけとなるでしょう。

このように、外国人材が安心して働き、生活できる環境を提供することで、国内産業の人手不足を解消することにもつながります。

受け入れができる職種は特定技能と同じ

技能実習制度の対象は90職種165作業でしたが、育成就労制度での受け入れ職種は特定技能制度と同じ分野に限定されています。対象となっているのは以下の12分野(14業種)です。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 建設
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

※引用:特定技能ガイドブック 出入国在留管理庁

特定技能への移行は原則、育成就労制度でおこなっていた分野のみとされており、知識やスキルを十分に蓄積した人材を雇用できるでしょう。

一定の要件で外国人材の転籍が認められる

技能実習制度において勤務先を変更する「転籍」が認められませんでしたが、育成就労制度では一定の条件を満たす場合に限り転籍が可能となります。

転籍とは、元の企業との雇用契約を解除して、別の企業に移ることを言います。転籍をおこなうには、下記の要件を満たしている必要があります。

  • やむを得ない事情がある場合(不当な労働条件での雇用、企業の倒産など)
  • 転籍前と同一業務区分内である
  • 同一機関での就労期間1~2年を超えている(分野ごとに設定)
  • 技能検定試験基礎級等および分野ごとに設定するA1~A2相当の日本語能力に係る試験への合格
  • 転籍先が適切と認められる一定の要件を満たす

※引用:改正法の概要(育成就労制度の創設等) 厚生労働省

転籍が不可とされていることが、外国人材の労働者としての権利が保護できていないと問題視されていました。制度が変わって認められたことで、よい労働環境を選んで就労できるようになるでしょう。

企業側のメリット

育成就労制度の設立は、労働力不足に悩まされている企業にとってさまざまなメリットをもたらすことが期待されています。この制度を活用する企業には、以下のようなメリットがあります。

  • 長期的な人材定着が期待できる
  • 高い日本語能力を持つ外国人材を採用できる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

長期的な人材定着が期待できる

育成就労制度は就労の期間が3年、その後特定技能1号へ移行すればさらに5年就労できます。その後さらに2号へ移行できれば無期限で就労可能です。企業からすると長期的な人材定着が見込めるでしょう。

今までの技能実習制度では、技能実習の職種と特定技能の職種は同じではないことがほとんどで、在留資格を移行する際に整合性が取れないケースがありました。そのため、技能実習を修了した後は雇用ができないことも多かったです。

しかし、育成就労制度は特定技能制度と同じ産業分野なので在留資格の移行もスムーズに進み、企業は長期的に外国人材を雇用することが可能となります。

日本語能力の高い外国人材を採用できる

育成就労制度では、一定水準の日本語能力が取得要件となっています。法務省が発表している「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書を踏まえた政府の対応について」では、以下のように定められています。

  • 就労開始前までに日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5等)に合格、または相当する日本語講習を認定日本語教育機関などにおいて受講する
  • 受入れ後1年経過時までに技能検定試験基礎級および日本語能力A1相当以上の試験(日本語能力試験N5など)を受験させる
  • 特定技能1号への移行時には、技能検定試験3級等または特定技能1号評価試験および日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4など)の合格が要件
  • 特定技能2号への移行時には、特定技能2号評価試験等の合格に加え、日本語能力B1相当以上の試験(日本語能力試験N3等)の合格が要件

※参考:技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議 最終報告書を踏まえた政府の対応について

一定水準の日本語能力が必要なので、受け入れる企業としては日本語能力の高い人材を雇用できます。

外国人材側のメリット

育成就労制度で日本で就労することは、外国人材にとっても多くのメリットがあります。制度を活用する外国人材のメリットは以下の通りです。

  • 自分のキャリアを形成できる
  • 法律を遵守した労働条件・環境で働ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

自分のキャリアを形成できる

外国人材は育成就労制度でおこなった職種と同じ職種で特定技能に移行できるので、知識やスキルを高めながら自分のキャリアを形成できます。

技能実習制度は5年間日本で就労できますが、5年間過ごした後は原則母国に帰国することが定められています。そのため、日本でのキャリアアップは難しいとされていました。

しかし、育成就労制度であれば特定技能への移行を見据えたうえで就労できるため、キャリアアップの道筋が非常に明確となります。特定技能1号へ移行すれば5年就労でき、さらに特定技能2号へ移行できれば無期限で就労可能なため、安定的な日本での生活の基盤を築くことができるでしょう。

法律を遵守した労働条件・環境で働ける

育成就労制度は、外国人材の労働条件の改善にも注力しています。

今までの技能実習制度では、企業の人手不足を補うために技能実習精度が利用されているケースも多くなっていました。このような問題を解決するために制度を全面的に改正し、国際基準に準拠した透明性の高い労働支援制度として育成就労制度が設立されたのです。新しく制度が整備されることで、労働者としての権利を保護したうえで日本で仕事をおこなえるでしょう。

さらに、育成就労制度では一定の条件を満たす場合に転籍が認められています。外国人材自身がよりよい労働条件・環境を選択できるようになる点も大きなメリットです。

まとめ

この記事では、育成就労制度の概要や、企業や外国人材にとってのメリットについて解説しました。育成就労制度は、労働力不足に悩まされている企業と、日本で安定した雇用を求める外国人材の双方にとって、大きなメリットをもたらす制度です。

技能実習制度が廃止され、新たな制度へと変わるこのタイミングで、改めて外国人材雇用について検討されてみてはいかがでしょうか。

外国人材の雇用をお考えの方へ

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「外国人材の採用経験はあるけど、苦い思い出がある…」

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