【ベトナム人】を特定技能で受け入れる際の必要な手続きを解説!

特定技能 2023.08.11

【ベトナム人】を特定技能で受け入れる際の必要な手続きを解説!

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日本の人材不足解消のために、海外から人材を受け入れられる在留資格「特定技能」が2019年4月より開始されました。ベトナムから特定技能ビザで雇用する際は、ベトナム政府が認可する送り出し機関を使わなければいけません。[注1]

 

本記事では、ベトナムから特定技能で受け入れる際に必要な手続きと、ベトナム人を雇用するメリット・デメリットを解説します。

 

[注1]JITCO 公益財団法人 国際人材協力機構「在留資格「特定技能」とは」

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ベトナム人を特定技能で受け入れるための手続きを解説

ベトナム人を特定技能で雇用する方法としては、以下の2つが挙げられます。

  • 日本国外からベトナム人を雇用する
  • 日本国内のベトナム人を雇用する

 

それぞれの雇用方法の特徴や詳細を解説していきます。

日本国外からベトナム人を雇用する方法

日本国外からベトナム国籍の労働者を受け入れる際は、「受け入れ企業」「ベトナム人労働者」「送り出し機関」「DOLAB(ベトナム労働・傷病兵・社会問題省海外労働管理局)」の4者間でのやり取りが必要です。求人から採用までの流れを解説します。

求人募集

まずは、日本から求人を出す際の流れです。なお、日本側が行う手続きは1のみですが、背後の流れも確認しておきましょう。

 

  1. 認定送出機関と「労働者提供契約」を結ぶ
  2. 認定送出機関からDOLABに上記を申請する
  3. 承認後、認定送出機関から労働者があっせんされる

 

ベトナム人労働者の求人では募集の際、DOLABから認定された送り出し機関(認定送出機関)を使わなければいけません。なお、認定送り出し機関は出入国在留管理庁のホームページに記載されています。

 

実際に募集する際は、募集人数や業種、労働条件などを明記した「労働者提供契約」を認定送出機関に申請し、DOLABの承認を受けることで初めて募集できます。承認後は、募集条件に見合った人材が認定送出機関よりあっせんされるため確認しましょう。

雇用契約

あっせんされた内容を元に、特定技能で採用するベトナム人労働者の決定後、雇用契約を締結します。以上が日本側の手続きです。

 

以下はベトナム人労働者側の手続きですが、ここで受け取る「推薦者表」が後ほど必要となるため確認しましょう。

 

  1. ベトナム人労働者は認定送出機関に「推薦者表」を依頼する
  2. 認定送出機関からDOLABに「推薦者表」を申請し発行される
  3. 認定送出機関から受け入れ機関に「推薦者表」が送付される

 

なお、「推薦者表」とは、ベトナムでの手続きの完了をベトナム政府が証明するための書類です。

「在留資格認定証明書」の交付

上記の手続きが終わったら、日本側では「在留資格認定証明書」の交付手続きを行います。

 

  1. 地方出入国在留管理局に「在留資格認定証明書」(※推薦者表必須)を申請する
  2. 「在留資格認定証明書」の交付後、ベトナム人労働者に送付する

 

「在留資格認定証明書」の発行では「推薦者表」が必要となるため注意しましょう。交付後は、原本をベトナム人労働者に送付します。

査証(ビザ)発給申請

以下はベトナム人労働者が特定技能ビザを取得する際の流れです。

 

  1. 在ベトナム日本国大使館に査証申請する(※在留資格認定証明書必須)
  2. 査証発給後、ベトナムを出国し特定技能ベトナム人として就労

 

なお、ベトナム側では出国前に、認定送出機関とベトナム人労働者の間で「海外派遣契約」を締結する必要があります。忘れずに手続きしましょう。

日本国内のベトナム人を雇用する

留学生や技能実習などのベトナム人を雇用する際は、雇用契約の締結以外に、在留資格変更許可申請が必要です。以下が手続きの流れです。

 

  1. 就労を希望するベトナム人と特定技能の雇用契約を締結する
  2. 駐日ベトナム大使館に「推薦者表」を申請し発行する
  3. ベトナム人労働者が地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請」を行い「特定技能」のビザで承認を得れば完了

 

「推薦者表」の申請は受け入れ先企業、ベトナム人労働者、登録支援機関、どちらから行っても問題ありません。なお技能実習修了見込みの方や留学生は、別途、以下の書類が必要です。

  • 留学生:教育課程の終了(卒業)証明書
  • 技能実習生:技能実習2号を良好に終了したことが分かる書類

 

詳しい内容は、駐日ベトナム大使館ホームページもご確認ください。

 

なおすでに特定技能ビザを取得しているベトナム人が、受け入れ機関を変更するときなどは「推薦者表」の申請は必要ありません。

 

駐日ベトナム大使館ホームページ 「技能実習に関する情報」

特定技能でベトナム人労働者を受け入れる際の注意点

ベトナムから労働者を受け入れる際は、登録支援機関の経由や推薦者表の申請など、複数の手続きが必要です。また日本とベトナムは、特定技能の適切な運用のための協力覚書「特定技能MOC」を交換しているため、その内容の理解も必要です。

義務的支援が必要

特定技能外国人を受け入れる際は、以下の「義務的支援」を「1号特定技能外国人支援計画」に記載した上で実施しなければいけません。[注2]

 

  • 事前ガイダンス
  • 出入国時の空港などへの送迎
  • 住居の確保。生活上必要な契約支援
  • 社会生活オリエンテーション
  • 公的手続きの補助や同行
  • 日本語学習の機会を設ける
  • 相談や苦情への対応
  • 日本人との交流の場を設ける
  • 人員整理の際の転職支援
  • 定期面談の実施

 

以上のように、ベトナム人労働者が仕事上・社会生活上、どちらもスムーズに行えるように整える必要があります。もし、企業で上記の実施が難しい場合は、義務的支援を委託できる「登録支援機関」なども活用してみましょう。

 

[注2]法務省「特定技能ガイドブック」

認定送出機関を経由するためコストがかかる

ベトナム人労働者を雇用する際は、ベトナム政府が認定する「認定送出機関」の経由が必要です。送り出し機関では、日本語学習やマナー研修など、実生活で必要になる知識を一通り教えます。即戦力として期待できるものの、教育訓練や渡航費用のほかに、送り出し機関への手数料払いが必要です。

推薦者表の申請手続きが必要

ベトナム人労働者の雇用では、ベトナム政府が承認する申請者リストに挙がった者しか雇用できません。そのため、他国ではあまり行わない推薦者表の交付申請手続きを行い、労働者の名前を登録する必要があります。

MOCの理解が必要

以上のように、認定送出機関の経由や推薦者表の申請が必要な理由としては、日本とベトナムの間で「特定技能制度に係る協力覚書」(MOC)の交換が行われているためです。

 

同覚書は円滑で適正な送り出し・受け入れを行い、特定技能ベトナム人の保護を目的としています。規定する手順に従っていない特定技能ベトナム人は雇用しないことやベトナムの法律で禁じられている職業につくことはできないといったことなど規定されています。特定技能で受け入れる企業は一通り確認しましょう。

英語は話せるが発音に癖がある

ベトナムでは日本語学習者が増加しており、さらに送り出し機関を経由するため、労働者はある程度日本語でも会話ができるでしょう。

また公用語はベトナム語であるものの、若者は英語を話せることが多い点も特徴です。

ただし、ベトナム人の話す英語には少し癖があり、日本人が聞くと若干聞き取りづらい可能性があります。

労働条件の明示は必須

ベトナム人労働者は労働条件にシビアであり、日本以外の受け入れ国の条件も参考に企業を決定する傾向にあります。そのため、基本給や賞与はもちろん、残業の有無や労働条件などをはっきりと明示しないと、後々トラブルにつながる可能性が多いでしょう。また、曖昧な条件を提示することで、早期離職につながるケースもあります。

 

ベトナム人を雇用するメリットや性格の長所

ベトナム人を雇用する際は認定送出機関を通すため、安全性が高い点がメリットです。また、すでに日本で働いているベトナム人が多く、手続き方法を確認しやすいため、初めて特定技能外国人を受け入れる際のハードルも低いでしょう。

送り出し機関の安全性が高い

ベトナムの送り出し機関は政府から認定されており、不正があれば通報し共有する仕組みもあります。そのため安全な機関を選びやすい点がメリットです。

 

送り出し機関の中には手数料を水増しして請求するなど、悪徳業者も含まれます。機関自体の選別が不要になるため、スムーズに特定技能の受け入れを進められるでしょう。

日本で働くベトナム人が多い

日本で働くベトナム人は約45万人と最も多く、外国人労働者数全体の26.2%を占めています。[注3]労働者が多ければその分、行政機関での手続きも確認しやすく、受け入れ機関・労働者、双方が利用しやすい環境が整備されています。

 

特定技能を利用するベトナム人が多いため、安定的な人材確保にも役立つでしょう。

 

[注3]厚生労働省.「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」

教育水準が高く理解力がある

ベトナムは東南アジアの中でもとくに教育水準が高く、全体の識字率を見ても約97%となっています。[注4]また、性格的にも真面目で勤勉な人が多い傾向にあるため、仕事を教えればしっかりと取り組んでくれるでしょう。

 

[注4]日本ユニセフ協会「ユニセフ子ども物語 地球に生きる子どものくらし ベトナム社会主義共和国」

年功序列意識がある

ベトナムでは儒教の流れが強く、日本のように年功序列意識があります。「年上は敬う」という国民性のため、指導者を選ぶときは、ある程度年上の従業員に任せるとよいでしょう。

 

なお、指導する際は、怒るのではなく理解を促し、褒めることが大切です。日本人と共通する感覚がある分、ベトナム文化を理解すればさらに仕事が進めやすくなるでしょう。

【まとめ】

ベトナム人を特定技能で受け入れるときは認定送出機関を通すこと

ベトナム国籍の方を特定技能ビザで雇用する際は、ベトナム政府が公認した送り出し機関を通す必要があります。また、上記以外に推薦者表の申請など、ほかの国と異なり、手続きがやや複雑なため、事前に確認が必要です。

 

ベトナム人を雇用するメリットは、日本に就労する外国人が最も多いため安定的に労働力を確保でき、教育水準が高いため理解力のある点です。ベトナム人の国民性を理解し、働きやすい環境を整えれば、深刻な人手不足の打開策ともなるでしょう。

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特定技能の業種や受け入れた事例、どのような支援が受けられるかなど、外国人材の受け入れで把握しておくべき概要をすべて網羅した資料です。

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