家族滞在ビザで働くことは可能なのか?
外国人労働者 2023.02.24
家族滞在ビザが発行されれば、日本で働く外国人労働者の被扶養者も日本で一緒に暮らせます。その際、被扶養者が日本で働けるかどうか気になる人もいるでしょう。
結論から述べると、一定の条件を満たせば、家族滞在ビザで働くことは可能です。ただし、家族滞在ビザで働くためにはいくつか条件があるため、事前に確認しておきましょう。また、働きすぎてしまった場合の対処法なども知っておく必要があります。
本記事では、家族滞在ビザの概要を紹介するとともに、家族滞在ビザで働く場合の条件や制限、働きすぎてしまった際の対処法などについて詳しく解説します。家族滞在ビザで働くための正しい手順や決まりごとを、順に押さえていきましょう。
そもそも家族滞在ビザとは?
家族滞在ビザとは、日本に滞在している外国人の被扶養者に対して発行されるビザを指します。被扶養者は、就労者と下記の関係性がある人が該当します。
- 就労者の夫
- 就労者の妻
- 就労者の子ども
上記の関係性を証明するためには、結婚証明書や出生証明書が必要です。また、家族滞在ビザが申請できる就労者の在留資格も限定されています。
家族滞在ビザが申請できる就労者の在留資格があるのは、入管法別表第一の、一の表・二の表・三の表のうち、以下に上げる職業の人です。(※)
教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、文化活動、留学 |
母国から家族を日本に呼びたい・滞在させたい就労者がいる場合は、まず取得している在留資格を確認しておくとよいでしょう。
※出典:在留資格一覧表|出入国在留管理庁
家族滞在ビザで働くことは可能?
前述の通り、家族滞在ビザを発行すれば、母国にいる被扶養者を日本に呼び寄せることが可能です。では、家族滞在ビザで働くことは可能なのでしょうか。
結論から述べると、一定の条件を満たせば、家族滞在ビザで働くことは可能です。とはいえ、家族滞在ビザは就労を目的にしたビザではなく、家族と一緒に日本に滞在するためのビザであるため原則としては就労が禁止されています。ただし、資格外活動の許可を申請すれば、1週間で28時間以内を条件に就労が可能となります。(※)
資格外活動の許可申請とは、在留資格以外で収入を外国人が得る場合に特例として申請するものです。家族滞在ビザ以外だと、留学の場合も原則働くことができないため、資格外活動の許可申請をします。
資格外活動の許可申請に必要なものは下記の通りです。(※)
- 申請書
- 当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類
- 在留カードを提示
- 旅券または在留資格証明書を提示
- 旅券または在留資格証明書を提示できない理由を記載した理由書
- 身分を証する文書などの提示
留意点として、家族滞在ビザで働く場合は、パート・アルバイトに限定されます。理由として、1週間で28時間以内の労働時間が定められているからです。また、業種によっては禁止されているものもあるので、事前に確認しておきましょう。
家族滞在ビザで働きすぎてしまったときの罰則
家族滞在ビザで働く場合、1週間に28時間以内の労働時間と定められています。では、週28時間以内の労働時間を超えてしまい、働きすぎてしまった場合はどうなるのでしょうか。
結論から述べると、資格外活動許可に違反したとみなされ、厳しい罰則が課せられます。資格外活動許可に違反した場合に適用されるのは、出入国管理及び難民認定法の第9章70条です。具体的には、資格外活動許可の違反によって、3年以下の懲役か禁錮または300万円の罰金が課せられるとされています。(※)
なお、違反行為は職歴として記録されるため、今後の就労や在留カードの更新に影響が出る恐れがあります。規定の労働時間を超えた際のデメリットは非常に大きいため、労働時間をしっかりと把握して働くことが大切です。
家族滞在ビザで働く場合は条件と労働時間を厳守する
家族滞在ビザは原則として労働が禁止されていますが、資格外活動許可を申請をすると労働が可能になります。ただし、労働時間には1週間に28時間以内という制限があります。この規定を超えてしまうと罰則が課せられる恐れがあるため、注意しましょう。
また、違反行為は職歴として記録されます。労働時間の違反は就労者だけでなく、企業側にとってのデメリットとなる可能性もあるため、しっかり遵守しなければなりません。