こども食堂は地域の新たなつながりの形です
特定技能特定技能「介護」 2023.08.28
こども食堂とは
読者の皆さんこんにちは。介護特定技能研修講師・主任ケアマネジャーの田端です。
今月もこの文章を読んでいただきありがとうございます!
先月末に自宅の近くでこども食堂が開催されたのでボランティアで参加してきました。毎月開催されていますが今回は夏祭りバージョンということでいつもより規模も大きくにぎやかに行われていました。
「こども食堂」は、事情があって一人で食事をしている子どものために食事を提供する場所として、無料または低額で子ども一人でも利用できる食堂です。
おもに地域住民のボランティアや自治体が主体となり運営されています。
名称は「こども食堂」ですが、近年は親や地域の人々など誰でも利用できる食堂が増えていて、地域交流や子どもの見守りの場など、地域に開かれたコミュニティの場としての役割も担っています。
食事を誰かととることで食生活が良好になることが「こども食堂」の良い効果として挙げられています。
一人で食事をとる「孤食」の状態を改善し、食生活をより良いものにしていくという効果や子どもたちの地域での居場所づくりの目的もあることを周知していくことも大切でしょう。
こども食堂は現在分かっているだけでも全国で7,000か所以上の場所で取り組まれています。(2022年12月「NPO法人全国子ども食堂支援センターむすびえ及び地域ネットワーク」調べ)
こども食堂の主要課題として、「来てほしい家庭の子どもや親に来てもらうことが難しい」という課題もありますが、ゆくゆくは大人になり社会を支える子どもたちやその保護者、地域にとって良い効果をもたらす取り組みです。
ケアマネジャーとして、こうした取り組みやその他の地域の取り組みを支えていくことや周知していくことが大切だとこども食堂へのボランティア参加を通して考えました。
お盆の意味
今年はお盆の時期に台風が近畿地方を中心とした広い範囲に上陸しました。帰省の予定を急遽変更された方も多くいらっしゃったことと思います。
コロナ前は、お盆には遠く離れた所に暮らす家族や親戚が集まることも多かったので、介護施設でもお孫さんや家族での面会が増えにぎやかな雰囲気に包まれていたことを思い出します。
今はなかなかそうした場面を作ることができないのが残念です。
日本のお盆の時期は、故人やご先祖様を偲ぶ大切な行事に加え、普段は会えない人と久々に会える機会だと感じています。
私が講師を務める介護の勉強会には多くのネパール出身の方が参加しています。ふと「ネパールにお盆はあるのかな?」と思い調べてみるとお盆のようなお祭りがあるそうです。
『ガイジャトラ(牛祭り)』という名前で、ネパール語でガイ=牛・ジャトラ=祭りを意味します。
ガイジャトラは、カトマンズ盆地などネワール族が大勢住んでいる地方の各地で毎年サウン月の満月の翌日に行われるお祭りです。
この一年間に亡くなった家族や親族の霊を慰めるために、牛を引いたり、牛に扮装した子どもたちが町の中を練り歩きます。
ヒンドゥー教では牛は神聖な動物であり、亡くなった人が天国へ旅立つのを助けると信じられています。
ネパールでは楽しみをみんなでシェアしたら増える。悲しみもみんなでシェアしたら減ると考えられているそうです。
亡くなった人を想い、悲しみを分かち慰めあうためのお祭りです。
ガイジャトラには人々の心のケアにとても大きな意味があります。このお祭りは参加する人々にとって、自分たちの悲しみを他の人とシェアできる行事なのだと思いました。
お盆が終わると少しづつ秋が近づくはずですが、この酷暑いつまで続くのでしょうか?皆様も暑さ対策を行い体調には気を付けてくださいね。
レジリエンス
看取りについての研修がスタートしました。毎回終了後にアンケートをいただき次回の参考にしていますが今回内容で取り上げた「レジリエンス」が反響が大きかったので紹介します。
レジリエンス(resilience)とは、「回復力」「復元力」「耐久力」「再起力」「弾力」などと訳される言葉で、分野によって様々な使われ方をしており明確な定義はありません。
近年は、『困難をしなやかに乗り越え回復する力』や『心の回復力(精神的な強さの指標の一つ)』を説明するものとして使われるようになってきました。
ストレス社会と言われる現代において、レジリエンスは心身ともに健康を保ち、人生や仕事で成果を出すために必要な要素として注目され続けています。
同じような困難に直面しても、そのとらえ方や反応の仕方は人によって様々なように、それぞれの人が持っているレジリエンスにも個人差があります。
レジリエンスが高い人には、
・思考に柔軟性がある
・感情をコントロールできる
・自尊感情が養われている
などの特徴があるそうです。
看護や福祉におけるレジリエンスとは、「変化や不幸などのストレッサーに直面しても精神疾患など心身や生活上の不具合を生じさせない抵抗力、またはそれを生じてもそこから迅速に回復する力」とされています。
医療・看護・介護・福祉に携わる人にとって、レジリエンスは離職防止や患者さんや利用者さんに質の高い技術を提供する際に必要なものです。
また、ストレスを避けられない職業人にとっては、メンタルヘルスを保つ重要な概念でもあります。
どんなにやりがいのある仕事でも、大なり小なりのストレスを感じます。ストレスが降りかかったときにどのように自分の心をマネジメントしていくのかが重要なことです。
介護や医療の技術同様に、レジリエンスをどのように高めていくのか現代社会では個人任せにせず、企業や医療機関・施設でも取り組むべき課題だと感じています。
まずは、「知ること」「気付くこと」を目標にこれからも試行錯誤の中から見えてきたものを発信していきたいと思います。