日本における外国人問題とは?10の具体例と考えるべき視点を解説
「ニュースで外国人問題が取り上げられているけど、具体的にどんな問題がある?」
「外国人問題についてなにか考えるべきことはある?」
来日する外国人が起こす問題について、少し不安を感じている人も多いですよね。
日本では近年、在留外国人や訪日外国人の増加に伴い、さまざまな問題が表面化しています。
◾️代表的な外国人問題
- 不法滞在・不法就労
- 窃盗・強盗などの犯罪
- 在留資格の不正取得
- 医療費不払い
- 税・社会保険料の未納
- 失踪・ブローカー問題
- 偽装留学生(名ばかり留学)
- 外国人による不動産取得・土地問題
- オーバーツーリズム
- 薬物・売春事犯
外国人問題は、不法滞在から犯罪、医療費不払い、失踪・ブローカー問題など多岐にわたります。ただ、問題の発生には外国人が抱える諸事情や、日本の制度の懸念点など、さまざまな原因があります。
一部の問題行為をもって外国人全体を否定的に捉えることは、差別や偏見につながる可能性が高いです。事実に基づいて冷静に考え、在留外国人と日本人が共生できる社会を築いていくことが重要となります。
本記事では、日本で発生している外国人問題や、外国人問題について考えるべきことを解説します。
日本で発生している外国人問題
日本では近年、訪日外国人や在留外国人の増加に伴い、さまざまな問題が顕在化しています。
ここからは、日本で発生している外国人問題について、10の代表的な事例を解説します。
不法滞在・不法就労
不法滞在とは、在留資格を持たずに日本に滞在し続けることです。外国人が日本に合法的に滞在し、定められた活動(就労、留学など)をおこなうためには在留資格が必要となります。
また、在留期限が切れているにもかかわらず、出国せずに日本国内に留まるケースも該当します。
不法就労は、就労が認められていない在留資格で働いたり、許可された範囲を超えて働く行為です。日本の出入国管理体制を脅かし、治安悪化や不当な労働環境(低賃金・労働搾取)を助長するため禁止されています。
また、違法な労働であるため税金や社会保険料の納付がされず、社会保障制度への負担にもつながりかねません。
不法滞在・不法就労の背景には、母国での貧困や日本での高い収入への期待、悪質なブローカーによる誘導などがあります。
窃盗・強盗などの犯罪
外国人による窃盗や強盗などの犯罪も、日本で発生している外国人問題のひとつです。
在留外国人の増加に伴い、外国人が関与する犯罪件数も増加傾向にあります。とくに組織的な窃盗グループによる空き巣や店舗での万引き、カード詐欺などが多く報告されています。
外国人犯罪が増加すると、地域住民の不安感が高まり、外国人全体に対する偏見や差別につながる可能性が高いです。また、犯罪を犯した外国人の検挙や送還には、行政コストがかかるという側面もあります。
犯罪を防ぐためには、入国審査の厳格化や不法滞在者の取り締まり強化、在留外国人への適切な生活支援が重要です。
在留資格の不正取得
在留資格の不正取得とは、偽造書類や虚偽の申告によって在留資格を得る行為です。
たとえば、実際には存在しない会社の雇用契約書を偽造して、就労ビザを取得するケースなどがあります。また、留学ビザを取得する際に、実際には通学する意思がないにもかかわらず、学校への入学を装うケースも該当します。
在留資格の不正取得が横行すると、本来日本に滞在すべきでない人物が長期間滞在することになり、治安や労働市場への悪影響が懸念されます。
入国管理局では、申請書類の真偽を厳格に審査するとともに、不正が発覚した場合には在留資格の取り消しや退去強制などの措置を取っています。
医療費不払い
外国人による医療費不払いも、日本の医療機関が直面している問題です。
訪日外国人や在留外国人が医療機関を受診した後、医療費を支払わずに帰国したり、連絡が取れなくなったりするケースが発生しています。とくに高額な医療費が発生する救急医療や出産などで、不払いが問題となっています。
医療費不払いが増えると、医療機関の経営を圧迫し、地域医療の持続性が脅かされる可能性が高いです。
対策として、外国人患者に対する医療費の前払いや保証金の徴収、医療通訳の配置などが進められています。
税・社会保険料の未納
在留外国人のなかには、税金や社会保険料を納めないまま滞在している人もいます。
日本で働く外国人は、日本人と同様に所得税や住民税、健康保険料、年金保険料を納める義務があります。しかし、制度への理解不足や意図的な未納により、適切に納付されないケースが多くなっているのです。
税や社会保険料の未納が広がると、社会保障制度の財源が不足し、制度全体の持続可能性が損なわれます。また、適切に納税している日本人や外国人との間で不公平感が生まれかねません。
外国人労働者を雇用する企業には、適切な源泉徴収や社会保険の加入手続きをおこなう責任があり、行政も制度の周知と取り締まりを強化する必要があります。
失踪・ブローカー問題
技能実習生や特定技能外国人の失踪は、深刻な外国人問題です。
技能実習制度では、低賃金や劣悪な労働環境などの人権侵害が背景にあり、実習生が失踪するケースが後を絶ちません。失踪した実習生は、不法滞在・不法就労の状態に陥り、さらなる問題を引き起こします。
また、失踪の背景には、悪質なブローカーの存在もあります。ブローカーは「日本で高額な給与を得られる働き先を紹介する」といって高額な手数料を徴収したり、虚偽の情報を提供して過酷な労働環境で働かせたりなど、外国人労働者を搾取します。
高額な手数料による借金や、過酷な労働環境で自由を奪われることで、失踪する外国人材が増えているのです。
偽装留学生(名ばかり留学)
偽装留学生とは、留学名目で在留資格を取得しながら、実際には就労を主目的としている外国人のことです。
留学生には本来、原則として週28時間までのアルバイト制限があります。しかし、偽装留学生は学業を疎かにし、複数のアルバイトを掛け持ちするなどして、この制限を超えて働く(オーバーワーク)ケースが多く見られます。
偽装留学生の増加は、本来の留学制度の目的を歪め、教育機関の質の低下を招く可能性が高いです。また、長時間労働による健康被害や、学費を払えずに退学するケースも発生しています。
入国管理局では、実態のない学校や出席率の低い留学生に対する審査を厳格化しています。
外国人による不動産取得・土地問題
外国人による不動産取得や土地の購入も、近年注目されている問題です。
日本では、外国人による土地取得に対する規制が緩やかで、自衛隊基地や原子力発電所の周辺、国境に近い離島などの安全保障上重要な土地が、外国資本に買収されるケースが増えています。
また、観光地や水源地、森林などが外国人に購入され、地域住民が管理や利用の実態を把握できない状況も生じています。土地の所有者が不明確になると、防災対策や地域開発に支障をきたす可能性が高いです。
こうした問題に対応するため、重要土地等調査法が施行され、安全保障上重要な土地の利用状況を調査する仕組みが整備されました。
オーバーツーリズム
オーバーツーリズムとは、観光客が過剰に増加することで、地域住民の生活環境や観光地の質が悪化する現象です。京都や鎌倉などの人気観光地では、外国人観光客の急増により、混雑や騒音、ゴミの問題が深刻化しています。
また、民泊施設の無秩序な増加により、住宅地の静穏が損なわれるケースも多くなっているのです。オーバーツーリズムは、地域住民の生活を脅かすだけでなく、観光地の魅力そのものを低下させるおそれがあります。
持続可能な観光のためには、観光客数の適切な管理と、地域住民との共生が不可欠です。
薬物・売春事犯
外国人による薬物犯罪や売春事犯も、日本で発生している外国人問題のひとつです。
国際的な薬物密輸組織が日本を市場として狙っており、外国人が運び屋として利用されるケースがあります。また、在留資格を持たない外国人が、生活費を稼ぐために薬物の売買や売春に関与する事例も報告されています。
薬物や売春事犯は、社会の治安を脅かすとともに、外国人コミュニティ全体への偏見を助長する要因となりかねません。取り締まりの強化とともに、困窮した外国人への支援や相談体制の整備が求められています。
外国人問題について考えるべきこと
外国人問題に適切に対応するためには、単に取り締まりを強化するだけでなく、制度や支援の在り方を見直すことが重要です。
ここでは、外国人問題について考えるべき4つのポイントを解説します。
ルールの改正や規制の明確化
外国人問題の多くは、制度の不備や規制の曖昧さから生じています。
在留資格の審査基準を明確化し、不正取得を防ぐための仕組みを強化することが必要です。
たとえば、技能実習制度については、労働環境の監視体制を強化し、人権侵害を防ぐための法整備が求められています。2027年には技能実習制度を実質廃止し、新たな育成就労制度へ移行することが決定されました。
この制度では、転籍の制限緩和や監理団体の監督強化などが盛り込まれ、実習生の権利保護が図られています。制度の見直しと規制の明確化により、外国人問題の発生を未然に防ぐことが期待されています。
在留外国人への関わり方や支援を考える
在留外国人が安心して生活できる環境を整えることも、外国人問題の解決には欠かせません。
言語や文化の違いから、日本の制度やルールを十分に理解できていない外国人も多く存在します。そのため、多言語での情報提供や相談窓口の設置、日本語教育の充実などが重要です。
在留外国人が孤立せず、地域社会に溶け込めるような支援体制を整えることで、犯罪や失踪などの問題を未然に防げます。
外国人材採用時は信頼できる機関・人材を見極める
企業が外国人材を採用する際には、信頼できる紹介機関や監理団体を選ぶことが大切です。
悪質なブローカーや監理団体は、外国人労働者から高額な手数料を徴収したり、劣悪な労働環境を放置したりします。その結果、外国人労働者が失踪したり、不法就労に陥ったりするリスクが高まります。企業は、監理団体の実績や評判を確認し、適切な労働条件や生活環境を提供できるかを慎重に判断することが大切です。
また、外国人労働者とのコミュニケーションを密に取り、困りごとや不満を早期に把握することも重要となります。外国人材が安心して働ける環境を整えることで、企業も安定した人材確保が可能です。
人権侵害や偏見はあってはならない
外国人問題について考える際に、もっとも注意すべきなのは、人権侵害や偏見を生まないことです。一部の外国人による問題行為をもって、外国人全体を否定的に捉えることは、差別につながります。
多くの在留外国人は、日本の法律を守り、真面目に働き、地域社会に貢献しています。外国人問題は、個々の行為や制度の不備に対処すべき課題であり、外国人という属性そのものを問題視すべきではありません。
外国人の人権を尊重しながら、適切なルールのもとで共生社会を築いていくことが、日本社会全体の利益につながります。
まとめ
本記事では、日本で発生している外国人問題や、外国人問題について考えるべきことを解説しました。
外国人問題は、不法滞在から犯罪、医療費不払い、失踪・ブローカー問題など多岐にわたります。これらの問題に対応するためには、規制の強化だけでなく、制度の改正や在留外国人への支援が重要です。
そして何より外国人問題を考える際には、一部の外国人による問題行為をもって、人権侵害や偏見を生まないことが大切です。在留外国人と日本人が互いに尊重し合い、共生できる社会を築いていくことが、日本の未来にとって不可欠です。