不法滞在者の雇用を防ぐには?不法就労のケースや企業が注意するポイントを解説
外国人労働者 2024.12.07
目次
近年、日本の不法滞在者の増加が問題となっています。
2023年の出入国在留管理庁の調査によると、令和5年1月1日時点での不法残留者数は70,491人で、昨年から3,732人(5.6%)増加しています。
発覚した場合本人が処罰を受けるのはもちろんですが、雇用した受け入れ機関も同様に処罰を受けることになります。不法滞在を認知していない場合でも、受け入れ機関の管理不足なので処罰は免れられません。必ず事前に在留カードのチェックをおこない、問題が発生しないようにすることが重要です。
本記事では、不法滞在の概要や不法就労となるケース、受ける罰則、問題を起こさないためにおさえておく注意点などについて解説します。
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不法滞在とは?
不法滞在とは、自らが国籍を持っている以外の国に在留許可がない状態で滞在することを指します。近年は日本にも外国人労働者が増えていますが、それに伴って不法滞在のまま働くケースも増えているのです。
不法就労をおこなった外国人は、罰則を科せられたうえで強制送還となります。また、不法就労者を受け入れた企業も処罰を受けることになり、入管法第73条の2により3年以下の懲役又は300万以下の罰金に処せられます。非常に厳しい罰則なうえに、「不法滞在だと認知していなかった」というような悪意を持っていない場合でも、基本的に処罰は回避できません。受け入れた企業側の管理不足と判断されるので、雇用する際は必要なチェックを充分におこなうことが重要です。
不法就労となる3つのケース
企業は不法就労をおこなさないために十分な注意が必要ですが、外国人材の雇用に関して法律的な知識を知らない人は少なくありません。問題となるケースを事前に理解して、問題の発生を未然に防ぐことが求められます。ここからは不法就労の3つのケースを解説します。
不法滞在者が働いている
日本へ不法に入国した人や、在留期間は切れているのに滞在し続けている人など、本来滞在できない人たちを働かせると不法就労となります。とくに「オーバーステイ」といわれる、定められた期間を超えて滞在し続けている人は意外と少なくないため、注意が必要です。
また、正式な在留資格を持っていても、必要な更新がおこなわれていなければ不法滞在の状態となってしまいます。期間は過ぎていないか、更新は正しく実施しているかを確認するようにしましょう。
就労ができない在留資格の外国人が働いている
在留資格にはさまざまな種類がありますが、労働が「許可」もしくは「禁止」のものがあります。たとえば、「留学」や「短期滞在」などは原則許可されていないので、企業が受け入れることはできません。何の制限もなく就労できるのは、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4つだけなので注意しましょう。
ただし、「留学」や「家族滞在」などは、事前に入国管理局で「資格外活動の許可」を得ていれば、定められた範囲内で働けます。資格外活動の許可とは、許可された範囲を超えて働いたり、定められた時間内であれば労働できたりする許可のことです。留学生のアルバイトなどの際に利用されます。
許可された活動以外の業務をおこなっている
就労が可能な状態であっても、許可されている活動以外の業務をおこなうことはできません。それぞれの在留資格には該当する活動が定められており、その範囲内で業務をおこなわせる必要があるということです。
たとえば、調理人や語学学校の教師として働くことを目的としている外国人材が、お店のレジ打ちや経理のようないわゆる単純労働に従事はできません。部署の担当者が知らない間に許可された活動以外の業務をおこなわせることのないように、事前に社内で認識を合わせておきましょう。
不法滞在者を雇用した企業への罰則
不法滞在者を雇用した場合、企業は「不法就労助長罪」となります。入管法第73条の2により「3年以下の懲役又は300万以下の罰金」に処せられ、厳しい処罰を課せられてしまいます。
また、入管難民法の改正により2025年6月から厳罰化することが決定しており、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」となります。
摘発された企業のなかには「不法滞在だと認知していなかった」「資格のチェックが漏れていた」といったようなことも少なくありません。故意でなくても、企業側の管理不足と判断されるので処罰は課せられてしまいます。
外国人本人への罰則
不法就労を実行した外国人にももちろん罰則があります。「出入国管理及び難民認定法」に反しているため、以下の罰則が科されます。
三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科
また、不法滞在者は国外へ強制的に退去させられたり、今後在留資格の取得ができなくなったりするおそれがあります。
不法滞在の外国人を雇用しないために注意するべきポイント
罪に問われてしまうと処罰を受けますが、それよりも問題なのは企業の存続に大きな悪影響を与えてしまうことです。今後の発展のために外国人材の採用をおこなったのに、罪につながってしまうと企業としては大きな傷になるでしょう。企業側は社内全体で細心の注意を払い、雇用を進める必要があります。ここからは雇用の際に注意するべきポイントを3つ紹介します。
身分の確認をおこなう
まずは必ず身分の確認をおこないましょう。一般的には在留カードを確認しますが、以下のポイントを確認するようにしてください。
- 名前・写真
- 在留期間が過ぎていないか
- 就労が可能か(就労不可の場合は資格外活動許可を得ているか)
- 住居地
身分の確認は、雇用する企業側の責務といえます。確認漏れのないように必ずチェックするようにしましょう。
在留カードの確認をおこなう
外国人のなかには、在留カードを偽造しているケースもあります。そのため必ず原本を提出させるようにしてください。
また、在留カードは正式なものと偽造のものが判断できるように、さまざまな仕掛けが施されています。
さらに、在留カードの番号有無を確認できる「出入国在留管理庁在留カード等番号失効情報照会」や、正式なものか判別できる「在留カード等読取アプリケーション」なども提供されています。ツールを活用して、問題がないか判断するようにしましょう。
在留カードを確認した際は、控えやコピーなどを残しておくようにしましょう。確認したという記録があれば、万が一摘発された場合も「対応は十分におこなっていた」と判断されて、罪とならない可能性もあります。
人材紹介サービスを利用する
安心して採用したいのであれば、人材紹介サービスを利用するのもおすすめです。求める人物像や募集要項に合う人材をヒアリングし、自社に適した外国人材をマッチングしてくれます。
依頼をおこなう形になるので費用はかかってしまいますが、人材の募集から面接の設定、雇用する際の特別な手続きなどを一貫しておこなってくれます。不法に滞在しているような人材を採用するリスクも少ないため、安心して採用をおこなえます。
また、最近は、外国人材の支援を委託することが可能な「登録支援機関」を兼ねている人材紹介業者も増えています。人材の紹介から採用活動、雇用後の生活支援まで一貫してサポートを受けることが可能となるので、安心して外国人材の採用を進められるでしょう。
初めて外国人材の採用をおこなう企業は不明なことが多いかもしれませんが、その際は登録支援機関を兼ねている人材紹介会社に依頼することをおすすめします。
雇用主の管理を徹底して不法就労をおこさないようにしよう
本記事では、不法滞在の概要や不法就労となるケース、受ける罰則、問題を起こさないためにおさえておく注意点などについて解説しました。不法就労は本人が処罰を受けるのはもちろんですが、雇用した受け入れ機関も同様に処罰を受けることになります。企業の存続にも大きな悪影響を与えてしまうので、雇用する際は必ず在留カードのチェックをおこなうようにしましょう。
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