特定技能「林業」とは?従事できる業務や要件について解説!
外国人労働者特定技能 2024.09.05
目次
2024年3月29日、特定技能制度に4分野が追加されました。その内の1つが「林業分野」です。
近年、日本は労働人口の減少が著しいですが、特に林業の分野は人手不足が大きな問題となっています。若年層が少ないうえに、就業者は減少し続けており、その問題は大きくなるばかりです。そのため、専門知識やスキルを持っていて即戦力となり得る外国人材を受け入れられることは、林業業界の人手不足を解決するきっかけとなるでしょう。
ただし、制度を利用するには、資格の取得要件や受け入れる企業の要件を満たしている必要があります。制度を活用して外国人材を雇用する企業は、受け入れる側として概要を十分に理解していなければなりません。要件を満たしていなければ、「外国人材を不法就労させている」とみなされ、処罰を受けることもあります。
本記事では、特定技能『林業』の概要や取得要件、受け入れ機関の要件、雇用する際の注意点について解説します。
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特定技能『林業』とは?
特定技能「林業」は、2024年3月に導入された特定技能制度の新しい分野です。林業分野では人手不足が続いており、その問題は年々深刻になっています。林業分野を追加することで、専門知識やスキルを持った外国人材を雇用できるようになり、人手不足の解消を目指しています。
ただ、まだ制度の詳細が定まりきっていないようです。今後具体的な内容が林野庁・法務省から公開されていくので、検討している方は情報をチェックするようにしましょう。
従事できる業務
特定技能「林業」での主な業務には、「育林、素材生産、林業種苗育成等」が含まれます。基本的に定められた範囲内の業務以外はおこなわせてはいけませんが、これらに関連する業務を実施させることは問題ありません。たとえば、林内における林産物の製造・加工、冬季の除雪作業・整備作業などは可能です。
受け入れ見込人数
特定技能「林業」の分野における受け入れ見込人数は、令和6年度から5年間で最大1,000人を政府は想定しています。近年人手不足が深刻になっている林業業界にとって、外国人材を雇用できるようになることは、林業業界の人手不足問題を解決するきっかけとなるでしょう。
外国人材にとっても、安定した環境で安定した給与をもらいながら働けることは魅力的に感じています。
特定技能『林業』の取得要件
特定技能「林業」を取得するには、定められた条件を満たす必要があります。
特定技能「林業」を取得するには、「林業技能測定試験」と「日本語試験」の両方に合格しなければなりません。測定試験は、林業に関する業務の基礎知識や業務を安全におこなうための知識、業界の理解が問われる問題となっています。
◾️試験内容
試験言語:日本語(ひらがな、カタカナ又はふりがなを付した漢字)
実施主体:農林水産省が選定した機関
実施方法:学科試験(コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式
又はペーパーテスト方式)及び実技試験
しかし、まだ追加されて間もないので、詳細な試験内容についてはまだ定まっていないようです。林野庁や法務省などから出される情報を、随時チェックするようにしましょう。
日本語試験は、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」のどちらかに合格する必要があります。
受け入れ機関の要件
特定技能「林業」の人材を受け入れる機関は、以下の要件を満たす必要があります。
・農林水産省が設置する「林業特定技能協議会」の構成員になる
・協議会において協議が調った措置を講ずる
・協議会に対して必要な協力を実施する
・農林水産省又はその委託を受けた者がおこなう調査または指導等に対し、必要な協力をおこなう
・登録支援機関に支援計画の実施を委託する場合、協議会・農林水産省に対し必要な協力を実施する機関に委託する
要件を満たしていなければ、「外国人材を不法就労させている」とみなされ、処罰を受けることもあります。要件をしっかりと把握して雇用するようにしましょう。
特定技能『林業』の人材を雇用する際の注意点
若年層が少なく、就業者は減少し続けている林業業界において、外国人材はとても活躍が期待されます。しかし、外国人材を受け入れる際は、おさえておくべき注意点もいくつかあります。ここからは雇用する際の注意点を5つ解説します。
必ず「林業特定技能協議会」に加入する
先ほどの要件でも触れましたが、受け入れ機関は「林業特定技能協議会」の構成員となることが必須になります。この協議会は外国人材の適正な受け入れや保護を目的としています。加入してからは、外国人材受け入れの状況報告や対応策の検討、適正な雇用・保護のための情報共有、現地調査など、さまざまな取り組みの協力が求められます。構成員になったら、協議で決まった措置を講じ、活動の協力を実施しましょう。
定められた範囲の業務を実施させる
特定技能「林業」の人材には、定められた範囲の業務を実施させてください。前述していますが、従事できるのは「育林、素材生産、林業種苗育成等」です。また、これらに関連する業務を実施させることは問題ありません。たとえば、林内における林産物の製造・加工、冬季の除雪作業・整備作業などは可能です。範囲外の業務をさせると処罰の対象となるので注意しましょう。
労働安全対策を強化しておく
労働安全対策の強化も非常に重要です。林業における労働災害の発生率は高い水準にあるので、業務に必要な知識・ルールの伝達をおこなったうえで労働させるようにしましょう。
また、林業の仕事は、基本的に荒天の日は現場は休みとなります。森に入って足元の悪い場所での作業となるため、危険度が増すからです。土砂崩れや川の増水、地盤の緩みなど、業務をおこなうにあたって危険な際は業務はできません。業務にあたっての注意事項も、しっかりと伝達することが大切です。
外国人材に伝達をおこなう際は、母国語で作成したマニュアルや書類を準備するのがよいでしょう。外国人材はあまり分かっていなくても分かったつもりになっていることがあります。後々トラブルにならないように、正しく理解するまで時間をかけて伝達することが大切です。
業務面・生活面の支援をおこなう
外国人材が円滑に業務に取り組めるように、企業側が必要なサポートをすることが大切です。たとえば、整地や植え付けをおこなう際の業務の流れや、伐採をおこなう際の機械の取扱い方法など、業務に必要な知識や技術について指導をおこないましょう。林業という業種は専門性が求められるため、慣れるまでは時間がかかってしまう傾向にあります。また、危険がともなう作業も少なくありません。働きやすい労働環境の整備や、母国語を用いたマニュアルの作成など、外国人が力を発揮できる環境作るようにしましょう。
また、生活面でのサポートも非常に重要です。これは義務的支援として、企業が必ず実施しなければならない支援となっています。住居の確保や日本で暮らすうえで必要な手続きの支援、情報の提供など、日本で問題なく生活ができるように支援をしていきましょう。
自社でおこなうのが大変な場合は、登録支援機関に委託するのもおすすめです。登録支援機関とは、外国人材を雇うにあたって必要な手続きや支援を委託できる機関です。外国人を受け入れる場合、行政機関が決めた支援を実施する必要がありますが、それらをすべて実施するには専門的な知識も求められます。そのため予想以上に負担となってしまうこともありますが、それらを委託することで、外国人への支援を代行しておこなってくれます。自社で難しい場合は、登録支援機関に任せましょう。
林野庁・法務省からの情報を随時チェックする
特定技能「林業」は、まだまだ詳細が定まりきっておらず、今後具体的な内容が林野庁・法務省から公開されていくようです。そのため、林野庁・法務省などのホームページから、情報を随時チェックするようにしましょう。
林野庁:https://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/gaikoku.html
法務省:https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html
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本記事では、特定技能『林業』の概要や取得要件、受け入れ機関の要件、雇用する際の注意点について解説しました。まだ詳細が定まりきってはいない分野ですが、今後外国人材を雇用していくことで、人材不足の問題解決・業界の成長につながっていくでしょう。林業を営む企業は、人材を確保する手段としてぜひ検討してみてください。
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