在留資格の特定技能とは?資格のメリットやデメリットを解説
介護特定技能 2023.08.11

目次
特定技能とは、2019年より運用が始まった新しい在留資格のことです。
人手不足解消を目的として施行された特定技能は2022年現在、14の業種において活用されています。
本記事では特定技能の具体的な内容や導入のメリットについて説明します。
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特定技能をはじめとした日本の在留資格
特定技能は、日本国内における各業界の人手不足を解消するための制度です。特に人手不足が深刻化している各業界に対し、特定技能の新設という形で外国人の在留受け入れが行われるようになったのは2019年4月からです。
それ以前の日本の入管法では、高度な知識や技術を持っている外国人材のみを専門的な職業において受け入れる方針を取っていました。
具体的には技術分野や人文知識、国際業務、高度専門職などに限り外国人材の在留資格を認めていました。
しかし、2019年に在留資格特定技能が追加されたことにより、外国人の在留のハードルは大きく下がることとなりました。
日本には2022年現在、従来の在留資格と特定技能をトータルすると全部で29種類の在留資格があります。
・外交
・公用
・教授
・芸術
・宗教
・報道
・高度専門職
・経営、管理
・法律、会計業務
・医療
・研究
・教育
・技術、人文知識、国際業務
・企業内転勤
・介護
・興行
・技能
・特定技能
・技能実習
・文化活動
・短期滞在
・留学
・研修
・家族滞在
・特定活動
・永住者
・日本人の配偶者等
・永住者の配偶者等
・定住者
このうち、特定技能には14種類の特定産業分野があります。
特定技能の設立前には、建設業界や宿泊業界、外食産業など外国人の就労が認められない産業が数多くありました。しかし、制度施行後にはこういった業種においても外国人が積極的に雇用されています。特定技能の大きな目的は、日本国内の深刻な人手不足を解消するためです。
日本では、働くことのできる15歳以上65歳未満を生産年齢人口と定義しています。生産年齢人口は1997年を境に減少傾向が続いています。特に、中小企業や小規模事業における人手不足は深刻です。
一部業種では人手不足によって社会基盤の持続が阻害されているため、早急な対応策として外国人労働者の雇用という方法が提案されました。政府は、特定技能の外国人労働者を2024年までに約34万5,000人受け入れることを目標としています。[注1]
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響などもあり、当初の予定通りに外国人労働者を受け入れることはできていないのが現状です。
[注1] 出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック ~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~」p3
在留資格「特定技能」の特定産業分野14種
法務省は2019年4月に新設した「特定技能」において、外国人を受け入れる特定産業分野を14種指定しています。[注2]
現段階で外国人の在留資格が認められる特定産業分野は以下のとおりです。
[注2] 出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック ~特定技能外国人の雇用を考えている事業者の方へ~」p2
1. 介護
日本国内では現在、介護人材の深刻な不足が叫ばれています。少子高齢化が進む日本では介護の需要が急激に高まっており、これに伴って外国人が雇用されるケースも増えています。
特定技能「介護」の業務内容は、利用者の介護や付随する支援業務です。具体的には入浴や食事、排泄の介助の他、レクリエーションの実施や機能訓練の補助などが挙げられます。
現在、特定技能「介護」において、外国人の介護者が訪問系のサービスを行うことはできません。
また、介護を伴わない施設への就業も不可となっています。特定技能「介護」の活用にあたっては、介護に関する試験と日本語試験に合格する必要があります。特定技能「介護」の受け入れ見込み人数は5年間で6万人と試算されていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から渡航制限が発出されたこともあり、見込み人数とは大きく乖離しています。
2. ビルクリーニング
日本国内では高層ビルが増加していますが、この管理や清掃を担う人手は慢性的に不足しています。
これを受け、建物の清掃を担うビルクリーニングの業務が特定技能1号の業種に追加されています。
外国人が在留資格でビルクリーニングの仕事をするためには、ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験や日本語試験の合格が必要です。
受け入れの見込み人数は5年間で37,000人と試算されています。
3. 素形材産業
素形材産業は勤続などの素材に対し、鍛造や鋳造といった方法で形状を与える産業です。日本の素形材産業には世界でも類を見ない高い技術力があります。世界レベルの品質を維持するためにも、高いスキルを持った人材の採用が必須です。人材の不足が問題視されていることから、現在は外国人技術者の採用が積極的に進められています。
素形材産業の業務内容は鍛造や鋳造の他、金属プレス加工や機械加工、ダイキャスト、板金、メッキ、塗装や溶接などです。これに加え、機械検査や機械保全を外国人労働者に任せることもあります。
素形材産業の受け入れ見込み人数は5年間で21,500人です。
4. 産業機械製造業
産業機械製造の分野でも、幅広い業種で外国人の技術者を求めています。特定技能の外国人が担う業務は鋳造や鍛造、機械加工や鉄工、ダイキャスト、塗装や仕上げ、プラスチック成形や金属プレス加工などさまざまです。
受け入れ見込み人数は5年間で最大5,250人となっています。
5. 電気・電子情報関連産業
電気製品や電子機器の製造や部品供給の分野にも外国人の人手が求められています。近年では自動車の電動化が進められており、この分野における電子部品需要が顕著です。
外国人の労働者に求められる業務は機械加工や金属プレス加工、プリント配線基板の製造、プラスチック成形、塗装や溶接、メッキ、機械保全などです。
電気・電子情報関連産業の受け入れ見込み人数は5年間で4,700人に設定されています。
6. 建設業
建設業界では住居やビル等の建設に加え、大規模災害の復興工事の需要も高まっています。これを受けて、在留資格特定技能における受け入れ見込み員数は5年間で40,000人に設定されました。
建設事業では土工や建築大工、配管、型枠施工、左官、とび、鉄筋施工や建設機械施工などあらゆる分野で外国人の人手が求められています。特定技能で働くためには建設分野特定技能評価試験や日本語能力試験の受験が必要です。
7. 造船・舶用業
島国である日本には造船や舶用産業の人手が欠かせません。世界の造船事業において高いシェアを獲得するため、現在は13,000人の受け入れ見込み人数を設定して広く外国人労働者を募っています。
外国人に任せる業務は、船舶の溶接や塗装、機械加工や電気機器組み立てなどです。
8. 自動車整備業
近年では、自動車整備業を目指す人が減少しており、さらに恒例の自動車整備士の引退が増えていることから人材不足が問題視されています。自動車整備業の外国人労働者受け入れ見込み人数は5年間で7,000人です。
外国人労働者が担う業務は現状のところ、自動車の日常点検整備や定期点検整備、分解整備等に限られています。
9. 航空業
インバウンド需要や格安航空会社の事業拡大に伴い、航空業における人材も不足しつつあります。母国語と日本語を学んでいる外国人スタッフであれば、航空業界で即戦力として活躍することが可能です。
外国人労働者には、地上走行支援や貨物取扱などの空港のグランドハンドリングスタッフや、機体の整備など航空機設備業務を任せることができます。
受け入れ見込み人数は5年間で2,200人です。
10. 宿泊業
インバウンドの増加により、宿泊業の需要も高まっています。日本政府は2030年までに訪日客数6,000万人を目指しているため、積極的な人材獲得が急務とされています。
外国人労働者に任せる業務は、フロント業務や接客、レストランサービス、企画や広報などです。
受け入れ見込み人数は5年間で22,000人となっています。
11. 農業
農業の現場では高齢化による人材不足が深刻化しています。日本の産業の中でも早い段階で外国人労働者を受け入れてきた業界ですが、特定技能の導入によりさらに人材が増加すると期待されています。
外国人労働者に任せる業務は、農産物の栽培や集出荷などの耕種農業に加え、畜産の管理や集出荷などの畜産農業全般です。
農業分野では5年間で最大36,500人の人材を求めています。
12. 漁業
漁業の就業者は約20年間で半数にまで減少しており、深刻な人材不足が叫ばれています。日本各地の漁場において、外国人の雇用が進められています。
特定技能において外国人が担う業務は、漁業と養殖業です。漁業の業務には水産動植物の採捕に加え、漁獲物の処理、漁具の制作や操作なども含まれます。養殖業の分野においても、養殖水産動植物の収獲や育成管理の他、養殖資材の制作や管理などが含まれています。
特定技能漁業の受け入れ見込み人数は5年間で9,000人です。
13. 飲食料品製造業
飲食料品製造業では、機械化が順次進められていますが、人の手による作業にも高い需要があります。
飲食料品製造業において外国人労働者が担うのは、飲食料品の製造や加工の他、安全衛生管理などです。
特定技能飲食料品製造業の受け入れ見込み人数は最大で34,000人となっています。
14. 外食業
既存のサービスに加えインバウンド需要も高まっていることから、外食産業の人材不足も顕著となっています。特に、観光エリアにおける外食業の人手不足は深刻です。
特定技能外食業では、飲食物の調理や接客、店舗管理など外食業全般を外国人に任せることができます。受け入れ見込み人数は5年間で53,000人です。
特定技能1号と2号の違い
特定技能には1号と2号があり、それぞれ受け入れの条件が異なります。ここからは、1号と2号の条件の違いを確認していきましょう。
特定技能1号
特定技能1号は、該当する特定産業分野における相当程度の知識やスキルを持つ外国人を雇用するための在留資格です。特定技能の14種の分野において、特定技能1号の制度を活用できます。
特定技能1号はいわば、就労ビザなのでさまざまな国籍の方が利用することが可能です。しかし、特定技能評価試験を実施している国が限られていることから、特定技能1号の在留資格で来日する外国人の出身国も一部に限られます。
2022年の時点で、特定技能1号の2国間協定を締結し試験を実施している国は以下のとおりです。
・インドネシア
・ウズベキスタン
・カンボジア
・スリランカ
・タイ
・ネパール
・パキスタン
・バングラデシュ
・フィリピン
・ベトナム
・ミャンマー
・モンゴル
特定技能1号の対象となるのは、就業後すぐに一定の業務にあたれるだけの技術を持つ労働者です。特定技能1号の在留資格で来日するにあたっては日本語スキルを判定する試験や、仕事に関する知識や経験を問う試験に合格する必要があります。
特定技能1号の在留資格で来日した場合の在留期間は、1年、6カ月、4カ月ごとの更新を経て通算5年までに設定されています。期間が満了した後には在留資格がなくなるため、日本に滞在できなくなります。
また、特定技能1号は原則として家族の帯同は認められません。
特定技能2号
特定技能2号は、特定技能1号の修了者が次の段階として選べる在留資格です。特定技能2号が認められるのは、その分野において十分に熟練した技術を有している労働者に限られます。特定技能2号の場合、3年、1年または6カ月ごとに更新をすれば、永続的に日本に滞在できます。実質的に日本の永住者となり、長期間にわたって日本の産業に携わってもらうことが可能です。
特定技能の制度が施行された2019年には、特定技能2号に移行できるのは建設業、造船・舶用業の2分野に限られていました。しかし、法務省は2021年に特定技能2号の拡張を検討する考えを示しています。2022年度を目処に、他の産業分野においても特定技能2号への移行が可能となる見通しです。
特定技能で外国人労働者を雇用するメリット
特定技能で外国人を雇用することには数多くのメリットがあります。
特に、人材不足を一気に解消し即戦力を得られるのは大きなメリットといえるでしょう。
ここからは、特定技能を活用するメリットを紹介します。
1. 人手不足の解消につながる
深刻な人材不足に悩む企業や事業所にとって、外国人労働者の雇用は効果的な手段となります。
日本国内で思うように人材が集まらない場合には、外国人を選んで採用する方針に舵切りするのも効果的です。
2. 即戦力として働いてもらえる
特定技能による雇用では、外国人材は特定技能評価試験や日本語評価試験などに合格する必要があります。これらの試験を突破している外国人は、現場で即戦力になることが期待できます。
日本国内での採用活動では、知識やノウハウをもたない人材を1から育てることもあるでしょう。こういった人材を育てるための手間やコストが発生することは避けられません。
十分な技術や知識を持つ外国人の採用は、企業の効率や生産性アップにつながります。
3. 入国までの期間が短い
技能実習生は入国の許可に時間がかかります。多くの場合、手続きをしてから実際に働いてもらうまでには半年程度の長い期間がかかってしまいます。
特定技能での雇用はこれに比べて入国までにかかる時間が短いのが特徴的です。現地で受けられる試験に合格すればすぐに入国が可能となるため、スピーディーに業務にあたってもらえます。
4. 若年層の労働者を確保できる
労働者の高齢化が進む業種においても、特定技能の活用は有効な一手となります。
特定技能で雇用できる外国人の多くは若年層です。体力勝負の面がある介護業務においては、若年層の人材は大きな戦力となるでしょう。
5. フルタイムで働いてもらえる
特定技能外国人は原則としてフルタイムの正社員として直接雇用しなければなりません。アルバイトやパート、派遣社員といった形での雇用は認められていないので注意が必要です。
なお、別の在留資格を持つ外国人をアルバイトで雇用する際には働ける時間が週28時間に制限されます。しかし、特定技能外国人であればこういった制限もありません。
十分なスキルや知識を持つフルタイムの正社員を雇用できれば、人材不足を効率よく補って生産性を高めることが可能です。
6. 対応できる業務の幅が広い
特定技能の労働者に任せることができる業務の内容は細かく定められており、一定の制限があります。
例えば、介護の分野では訪問系のサービスに従事するのは不可とされています。
とはいえ、一部の業務を除き幅広い業務に対応してもらえるため、特定技能外国人の雇用は人手不足に悩まされている現場にとって大きなメリットです。
技能実習は業務内容に多くの制限があるため、より多くの業務を任せたい場合には特定技能を選んだ方がよいでしょう。
7. 技能実習からの移行も可能
まずは技能実習生として受け入れ、その後特定技能の労働者に移行する雇用の方法もあります。この方法であれば、技能実習の段階で技術や知識、人柄などを十分に見極めることが可能です。
特定技能の労働者には通常、特定技能評価試験や日本語評価試験の受験が求められます。しかし、技能実習生として十分な技能や知識をもっていれば、規定の試験を受けずに特定技能に移行できます。
技能実習の期間制限は5年間ですが、特定技能に移行すればさらに5年にわたって在留できるため、移行のタイミングによっては、最長で10年にわたって働いてもらえます。
8. 日本語でのコミュニケーションができる
技能実習生には十分な日本語力が備わっておらず、業務を進める上で困る場面もあるかもしれません。特定技能の外国人労働者は日本語評価試験などの各種試験を突破しています。
試験では日本で生活するために必要な日本語に加え、業務で必要となる日本語の能力もチェックされます。この試験を突破している労働者であれば、日本語で問題なくコミュニケーションを取ることが可能です。
9. 企業の海外進出の足がかりとなる
特定技能で外国人の技術者を多く雇用すれば、現場の多様化が起こりやすくなります。企業が今後海外進出を視野に入れている場合、外国人労働者の活躍は大きな足がかりとなるはずです。
また、特定技能労働者は日本語と母国語を理解できるため、海外進出の際に交渉などの対応にあたってもらうのも効果的です。
10. 一度に多くの労働者を受け入れられる
特定技能の業種の多くでは、受け入れ人数の制限を設けていません。建設と介護の分野には一定の人数制限がありますが、事業所の規模や従業員数に応じて十分な人数の外国人を雇用できるので心配はいりません。
特定技能の活用は、深刻な人手不足が起きており今すぐに多くの人材を採用したい企業に向いています。
11. 特定技能2号に移行すれば終身雇用も可能
特定技能1号には5年間の期限があり、期間満了後には帰国が求められます。しかし、特定技能2号に移行できれば、期限の定めなく長期にわたって働いてもらうことが可能です。
現在、特定技能2号に移行できる業種は建設と造船・舶用業に限られています。これらの業種で終身雇用ができる人材が必要な場合には、特定技能2号への移行を検討するとよいでしょう。
特定技能で外国人労働者を雇用するデメリット
特定技能を活用して外国人の雇用を行うのには、多くのメリットがあります。その一方、費用面や手続きの面など、いくつかのデメリットも考えられます。
ここからは、特定技能を活用するときに考えられるデメリットを紹介していきます。
1. 煩雑な手続きが必要となる
特定技能で外国人を雇用するときには、多くの手続きが求められます。手続きが煩雑で分かりにくいことから、外国人雇用を敬遠する事業所もあるほどです。
申請手続きがしにくいと感じるときは、登録支援機関への業務委託を選ぶのも一つの方法です。登録支援機関は各事業所に代わって、特定技能の登録申請や外国人労働者の出入国管理、契約など就労に関するトータルサポートを行っています。手厚いサポートを受けられる登録支援機関を選べば、負担なく外国人労働者を雇用できます。
2. 特定技能1号には期限が定められている
現在、特定技能において2号を適用できるのは建設業と造船・舶用業に限られています。これ以外の多くの産業では、特定技能1号の条件で外国人を雇用しなければなりません。
特定技能1号の雇用期間は、更新を経て最長5年までです。5年が経過すると在留資格が失われるため、労働者は日本に住むことができなくなります。そこで、技能実習の制度と組み合わせれば、最長10年まで働いてもらうことが可能となります。ただし、あくまで就労期間は制限されている点には注意しましょう。
3. 費用がかさんでしまうことがある
外国人労働者を技能実習の形で雇用した場合、報酬額はやや低めになるのが一般的です。しかし、特定技能で外国人労働者を雇用するときには、同様の業務にあたっている日本人従業員と同等またはそれ以上の給与を支払うよう定められています。
特定技能は十分なスキルや知識を持った労働者を雇い入れるシステムとなっているため、技能実習に比べるとその報酬額はどうしても高くなります。
特定技能の外国人労働者を雇う際には人材紹介会社を利用するケースも多いです。人材紹介のサービスを受けるときには、労働者の年収の20~30%程度を手数料として支払うことになります。他に、登録支援機関への支援費なども求められます。
結果として、特定技能を活用した雇用によって採用コストや人件費が跳ね上がってしまうおそれもあります。
4. 採用が難しい
特定技能の労働者には、特定技能評価試験や日本語能力試験など一定の試験が課せられます。これらの試験に合格していない外国人を特定技能労働者として雇用できません。
現状、特定技能評価試験や日本語能力試験を実施している国は限られます。そのため、試験無しで雇用できる技能実習と比べると、やはり労働者の確保は難しくなります。
企業が独自に外国人労働者を探すのが難しいときには、人材紹介会社を上手に活用しましょう。外国人労働者の採用に特化している紹介会社を選べば、優秀な人材と出会う機会を増やすことができます。
5. 労働者が転職を選ぶことがある
技能実習の場合には、実習先の倒産などやむを得ない場合以外に転職を選ぶことはできません。
しかし、特定技能で在留資格を得た労働者は、同一の業界内で自由に転職することが認められています。
もちろん、十分な報酬や福利厚生を用意しサポートを行っていれば、労働者が転職してしまうリスクはほとんどありません。
しかし、よりよい条件の事業所がある場合には、せっかく雇用した労働者が転職してしまう可能性も十分に考えられます。
6. 言語や文化の壁に悩まされることがある
特定技能外国人として働くためには、日本語能力の試験に合格する必要があります。そのため、雇用してすぐの段階でもある程度日本語でのコミュニケーションを円滑にとることができます。
とはいえ、流暢な日本語を操れる労働者はそれほど多くないでしょう。また、それぞれの国には独自の文化があります。
さらに労働者が信仰を持っているケースもあるため、一緒に働く中で文化や宗教の壁を感じることもあるかもしれません。
特定技能1号の外国人材を雇用するときの支援について
特定技能外国人を採用する方法はいくつか考えられます。技能実習生を受け入れているときには、十分な技術を身につけた上で特定技能に移行してもらう方法を選ぶことも可能です。また、留学生アルバイトに対して技能試験や日本語試験を勧め、合格後に社員として雇用するケースもあります。
しかし、多くの場合は外国にいる技術者を特定技能外国人として採用します。どのような場合であっても、特定技能1号で外国人労働者を雇用するときには、企業や事業所が一定の支援を行うことが求められています。
1号特定技能外国人に対する支援の内容には以下のようなものがあります。
・外国人に対する入国前の生活ガイダンスの事前提供
・入国時の空港等への出迎え、帰国時の空港等への見送り
・住居確保のため、保証人となるなど生活に必要な支援や契約の実施
・外国人に対する在留中の生活オリエンテーションの実施
・生活に必要となる日本語習得の支援
・外国人が行うべき各種行政手続きの情報提供、公的手続きに同行するなどの支援
・外国人からの相談や苦情への対応
・外国人と日本人とのコミュニケーション促進に関わる支援
・転職の支援
・定期的な面談や、必要に応じての行政機関への通報
これらの支援は、外国人労働者が不安なく日本で仕事をするために必要です。外国人労働者を受け入れる企業が丁寧なサポートを行うことは、企業と労働者の双方に大きなメリットをもたらします。
特定技能の外国人労働者を雇用するときには支援体制を構築した上で支援計画書を作成し、提出する必要があります。しかし、支援計画の作成や実際の支援には多くの手間がかかります。多くの外国人労働者を雇用したいと考えたものの、支援のコストや負担を考え雇用を見送ってしまう例もあるかもしれません。
自社での支援が難しい場合には、登録支援機関への委託する方法を選択できます。特に、初めて外国人を受け入れる場合や企業に過去2年にわたって外国人が在籍していない場合には、必ず登録支援機関に委託しなければなりません。
登録支援機関とは、企業に代わって特定技能の外国人の就業をフルサポートしてくれる機関です。登録支援機関は支援計画の作成や実際の就業の支援、手続きの支援などをトータルで担ってくれます。また、外国人労働者の雇用に関して不明な点にも相談に乗ってもらえます。出入国在留管理局の登録を受けており、外国人人材の受け入れに関する高い知識やノウハウを持っている機関なので、安心して支援を任せられます。
特定技能の在留資格で外国人を雇用するメリットはたくさんある
在留資格の特定技能とは、外国人を技術者として雇用できる制度のことです。特定技能には即戦力となる外国人を雇用でき、人手不足の解消を実現できる大きなメリットがあります。
一方で、特定技能外国人の雇用には手続きの難しさや費用面などいくつかのデメリットも考えられます。
特定技能外国人の受け入れは新型コロナウイルス感染症の影響もあり、当初の見込み通りに進んでいないのが現状です。とはいえ、渡航制限が緩和された2022年以降には特定技能外国人の受け入れ数も少しずつ増加していくと期待されています。
外国人材の雇用をお考えの方へ
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