【解説】インドネシア人の平均年収はどのくらい?生活費にはどのくらい必要?

介護外国人労働者 2022.10.14

【解説】インドネシア人の平均年収はどのくらい?生活費にはどのくらい必要?

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日本と60年以上にわたって友好関係を結ぶインドネシアには、多くの日本企業が進出しています。2021年の在留邦人数は16,539人で、多くの日本人が首都ジャカルタを中心に暮らしてきましたが、インドネシアの平均年収はどのくらいなのでしょうか。[注1]

本記事では、インドネシアの平均年収や生活費の目安を解説していきます。

[注1] 外務省.「インドネシア基礎データ」.

インドネシア人の平均年収

ASEANの構成国であるインドネシアは急速な経済発展が続いており、平均年収も年々上昇傾向にあります。しかし日本の平均年収と比較すると、まだまだ差があるのが現状です。

 

ここではインドネシア中央統計庁(BPS)のデータを参考にしながら、インドネシアと日本の平均年収の違いや学歴別の平均年収、インドネシアで高収入が期待できる職種を解説します。[注2]

 

なお数字を分かりやすくするため、インドネシア通貨の為替レートは1ルピア(Rp.)0.009円とします。

 

[注2] インドネシア中央統計庁(BPS).「Rata-rata Upah/Gaji Bersih Sebulan Buruh/Karyawan/Pegawai Menurut Provinsi dan Jenis Pekerjaan Utama, 2022」.

インドネシアと日本の平均年収の違い

インドネシア中央統計庁によると、2022年2月のインドネシア人の平均年収は約31万2,000円です。勤続期間が1年以上の場合、インドネシアでは1ヵ月分の給与が加算されるため、平均年収は約33万8,000円に増加します。

また首都ジャカルタの平均年収は約60万円と、他の地域よりも高い水準となっています。このように経済発展が著しいインドネシアでは、物価高の上昇にともない平均年収も上昇を続けてきました。

 

しかし日本の平均年収と比較すると、インドネシア人の給与水準はまだまだ低いことが分かります。

国税庁の令和2年分民間給与実態統計調査によると、2021年12月31日の平均給与は433万円でした。[注3]インドネシアと日本の平均年収には、およそ13倍の差があります。

[注3]国税庁.「令和2年分 民間給与実態統計調査」.

インドネシアの学歴別の平均年収

次にインドネシアの学歴別の平均年収を見てみましょう。インドネシア中央統計庁の全国労働力調査(Sakernas)によると、インドネシア国内の学歴ごとの平均年収は以下の通りです。[注4]

最終学歴

平均年収

大学

53万3,000円

高校(SMA)

31万2,000円

専門学校(SMK)

32万5,000円

中学校

23万4,000円

小学校

20万8,000円

日本国内の賃金構造と同様に、インドネシアでも学歴が高いほど平均年収が上昇する傾向にあることが分かります。とくに最終学歴が大学の場合、平均年収は53万3,000円と首都ジャカルタの給与水準に近い数字となっています。

 

[注4]KOMPAS.「Gaji Rata-rata Pekerja RI Berdasarkan Jenjang Pendidikan, SD sampai S1」.

インドネシアで高収入が期待できる職種

インドネシアで高収入が期待できる職種には、どのようなものがあるのでしょうか。日本と同様にインドネシアでもIT企業や金融機関では、比較的高年収が期待できます。そのほか、インドネシアで給与水準が高いとされる職種は以下の通りです。

 

  • IT業界
  • 士業
  • 金融サービス
  • 建設業
  • マーケティング業
  • 広告・通信・マスコミ
  • 工学・化学・鉱業など

 

弁護士や公認会計士などの特定の資格が必要な業種や、エンジニアやプログラマーなどの専門的なスキルが求められる業種は、インドネシアでも高収入が期待できるでしょう。また、インドネシアに進出した日系企業で働く方法もあります。たとえば通訳やスピーカーなら、語学スキルに応じて比較的高額な収入を得ることが可能です。

インドネシアでの生活費の目安

インドネシアで生活する場合、どのくらいの生活費が必要なのでしょうか。

インドネシアでは、各州の州知事が「一人の労働者が適正な生活を送るために必要な費用」として最低賃金月額を毎年算出しています。

 

労働政策研究・研修機構によると、2019年の首都ジャカルタの最低賃金月額は約35,468円でした。ジャワ地域やリアウ諸島、バリなど、その他の地域の最低賃金月額は次の通りです。[注5]

 

地域

最低賃金月額

ジャカルタ

約35,468円

西ジャワ

約15,015円

中部ジャワ

約14,448円

東ジャワ

約14,670円

リアウ諸島

約24,927円

バリ

約20,681円

 

上記の数字はあくまでもインドネシアの最低賃金月額です。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の2014年の調査では、首都ジャカルタの世帯当たり生活費の平均は約50,220円(1ルピア0.009円の場合)となっています。[注6]

 

また食品や飲料、嗜好品などの物価高が年々上昇していることを考えると、インドネシアで安定した生計を営むには、上記最低賃金よりも余裕を持った資金準備が必要と考えて良いでしょう。

 

[注5]労働政策研究・研修機構.「2019年州別最低賃金と地域別、産業別の動向」 

[注6]日本貿易振興機構(ジェトロ).「ジャカルタの世帯当たり生活費は月約7万5,000円−政府が全国82都市で調査−」,

【まとめ】

インドネシアの平均年収や生活費の目安を知ろう

 

急激な経済発展をつづけるインドネシアでは、平均年収や生活費の水準が年々上昇しています。日本をはじめとした先進国と比較すると低い水準にとどまるものの、インドネシアで働いたり生計を営んだりする場合は、平均年収や生活費の目安を正確に知っておかなければなりません。

インドネシアで高収入を得たい場合は、IT企業や金融機関のほか、日系企業の通訳やスピーカーなどの選択肢があります。インドネシア中央統計庁などのデータを参考に、インドネシアの正確な現状を知っておきましょう。

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