外国人アルバイトを採用する5つの注意点|採用方法や必要な在留資格について解説

介護外国人労働者 2024.06.26

外国人アルバイトを採用する5つの注意点|採用方法や必要な在留資格について解説

この記事をシェアする

近年、留学生を中心に日本でアルバイトをおこなう外国人が増えています。特にコンビニや飲食店などの接客業で外国人アルバイトは増えており、慢性的な人手不足に悩まされている業界にとって貴重な働き手となっています。

ただし、外国人材を雇用する場合、在留資格のチェックや定められた労働時間内での雇用など、注意すべき点が多くあります。アルバイトといえども定められた法律を遵守しなければ、違法となって罰則が課されてしまうおそれがあります。

本記事では、外国人をアルバイトとして雇う方法や在留資格のチェックポイント・アルバイトとして雇用する際の注意点を紹介します。

外国人材の雇用をお考えの方へ

人材不足にお悩みの企業担当者に向けて、おもにネパール・インドネシアから人材を200名以上紹介してきたスキルド・ワーカーが、2019年から始まった特定技能制度や外国人紹介サービスの内容をまとめた「特定技能パーフェクトブック」を無料で配布しています。

特定技能の業種や受け入れた事例、どのような支援が受けられるかなど、外国人材の受け入れで把握しておくべき概要をすべて網羅した資料です。

即戦力をお探しの方、はじめての外国人材雇用を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

外国人アルバイトが増えている

近年ではコンビニやファーストフード店などで外国人従業員を見かけることが多くなりました。外国人アルバイトは留学生を中心におこなっていることが多く、労働人口が不足している日本にとって貴重な働き手となっています。

日本学生支援機構が実施している「外国人留学生在籍状況調査」によると、外国人留学生は279,274人(令和5年5月1日現在)で、年々増加をしています。そのなかでもアルバイトをしている留学生は、独立行政法人日本学生支援機構の調査によると約6〜7割となっています。このアルバイトに関する調査は、9,000人の留学生を対象としているのであくまで参考にはなりますが、もしも279,274人の留学生に換算すると約167,000〜195,000人がアルバイトをおこなっていることになります。

外国人アルバイトで多いのは飲食業や接客業

アルバイトの職種でみると、「飲食業」が35.0%と最も多く、続いて「営業・販売(コンビニなど)」が30.2%、「工場での組立作業」が6.1%となっています。接客業サービスを伴うような仕事や流れが定まっている工場の作業などが、アルバイトとして選ばれているようです。

業種的にも、飲食業や接客業は特に人手不足に悩まされている業種です。そのため、外国人アルバイトを積極的に取り入れていると考えられます。

外国人材をアルバイトとして雇う流れ

外国人材をアルバイトとして雇うと決めた場合でも、募集から採用まではほぼ日本人を雇う場合と変わりません

求人募集から採用まで、大まかな流れを見ていきましょう。

1. 求人を出す

まずはアルバイトを募集していることを世間に知らせるため、求人を出しましょう。応募の母数を増やすためには、「相手の知りたい情報を記載すること」「どのような人物を求めているか明確にすること」が大切です。

外国人材を対象に求人募集をかける方法としては、以下のものがあります。

  • ハローワーク・外国人雇用サービスセンター
  • 就職・転職・アルバイト情報サイト
  • 自社ホームページ
  • 大学や専門学校の掲示板
  • タウン紙 など

数多くの媒体に求人を出したほうが、よりたくさんの応募が期待できます。ただしあまりに数を打つと採用コストが膨大になる恐れがあります。自社と相性の良さそうな方法を選び、外国人材を募集してください。

なお上記の「外国人雇用サービスセンター」とは、国が運営する外国人専用の職業相談、職業紹介所です。新宿(四谷・歌舞伎町)、名古屋市、福岡市、大阪市に設置されているので、近隣の企業は利用してみると良いでしょう。

2. 書類審査

募集が一定数集まったら、書類審査をおこないます。チェック内容は日本人のケースと同じです。学歴や職歴・住所等を確認してください。

また外国人材の書類審査で特に丁寧に確認すべきなのは、「在留資格」です。詳しくは後述しますが、在留資格に何らかの問題がある人はどんなに好条件だったとしてもアルバイトとして雇うことはできません

3. 面接

在留資格に問題がないことがはっきりした人には、面接をおこないましょう。提出してもらった書類を見ながら、気になる点を確認していきます。業務が接客なら日本語のレベルも重要なため、「どのくらい日本語を理解できるか」も確認してください。

また、雇用条件の確認も非常に重要です。求人募集ですでに記載していたとしても、応募の段階で何らかの誤解が生じているかもしれないので、給与や休暇・希望条件等を口頭で説明しましょう。採用した後にトラブルにならないよう、あいまいな点を残さないようにすることが必要です。

4. 採用

採用者が決まったら、口頭・文書で通知しましょう。必要な書類を提出してもらい、雇用の手続きをおこなってください。

なお、外国人労働者でも、基本的な権利・賃金・福利厚生は日本人と同じであることが労働基準法によって定められています。「残業があれば残業代を払う」「休日出勤なら休日手当を出す」等、労働基準法に則って外国人アルバイトを雇用してください。

外国人材をアルバイトとして雇う際必要な在留資格とは

日本において外国人材が就労できるのは、適切な在留資格を持っている方のみです。外国人材の雇用を検討している場合に、把握しておくべき「在留資格」について紹介します。

1.日本で特定の活動をおこなうための資格

在留資格とは、外国人が日本で何らかの活動をおこなうことを認めた資格の総称です。出入国在留管理庁の「在留資格一覧表」によると、在留資格は29種類あり、どの在留資格を持っているかで日本国内でできることが異なります。

なお、在留資格はしばしばビザ(査証)と混同されますが、ビザは「入国許可証」であり在留資格を定めたものではありません。管轄も在留資格は「出入国在留管理庁」ですが、ビザは「外務省」です。

2. 外国人材がアルバイトとして働けるのは4種類

29種類の在留資格のうち、就労の制限がないのは以下の4種類のみです。

  • 永住者
  • 日本人の配偶者等
  • 永住者の配偶者等
  • 定住者

上記はその人の属性に関わる在留資格のため、「身分系」と呼ばれるのが一般的です。外国人材をアルバイトで雇うとき、上記の在留資格が記載されている場合は、問題なく雇用できます。

また「特定活動」という在留資格のうち「ワーキングホリデー」に該当する外国人材も就労の制限がほぼありません。ワーキングホリデーとは、休暇目的の入国や滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。こちらも採用の対象としてよいでしょう。ただしワーキングホリデーの在留資格を持っているのは、ワーキングホリデー協定を結んでいる国の18~30歳の国民のみです。

3.「資格外活動許可」を取得すれば働けるケースもある

在留資格の中には、個別に許可申請をおこなえばアルバイトできるものもあります。

  • 留学
  • 家族滞在
  • 継続就職活動または内定後就職までの在留を目的とする「特定活動」など

これらの在留資格は「資格外活動許可」を取得することで、在留資格で認められている活動以外で収入を受ける活動を許可されるため、アルバイトが可能となります。

ただし、許可を受けるには審査があるため、必ずしも認められるとは限りません。資格外活動許可が必要だという正当な理由がないと許可申請が通らない可能性もあります。具体的には、以下の要件が一つでも欠けていると許可を得るのは難しいでしょう。

  • アルバイトが本来の目的の邪魔にならないこと
  • すでに本来の目的に従事していること
  • 法令違反に当たらないこと
  • 風俗営業もしくは店舗型性風俗特殊営業が営まれている営業所ではないこと
  • 収容令書の発付または意見聴取通知書の送達もしくは通知を受けていないこと
  • 素行不良ではないこと
  • どこかの機関と契約して在留活動をおこなっている場合は、その機関が認めていること

資格外活動許可が取得できれば、在留カードを見ることでその有無を判断できるようになっています。在留カードの表面にある就労制限は「就労不可」と書かれていても、裏面の資格外活動欄に「許可」と記載があれば資格外活動許可が取得できているので、アルバイトが可能です。

就労できない外国人をアルバイトにすると違法

現在の在留資格で認められた範囲を超えて働く外国人は「不法就労外国人」です。理由の如何を問わず不法就労外国人を雇った雇用主には、入管法の「不法就労助長罪」が適用されます。ペナルティの対象となり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金・またはその両方が課せられる恐れがあるでしょう。

外国人をアルバイトとして雇うときは、必ず在留資格の詳細をチェックしてください。

在留カードをチェックするポイント

外国人材をアルバイトとして雇用する際に、在留資格を確認する場合は「在留カード」を提示してもらいましょう。在留カードとは、中長期在留者として日本に滞在する外国人に交付される身分証のようなものです。個人情報が全て記載されており、アルバイトとして雇えるかどうかを判断できます。在留カードを確認するとき、必ずチェックしておくべきポイントを紹介します。

1. 偽造の可能性を確認

まずは「その在留カードが本物か」を確認しましょう。また本物だったとしても、有効期限や在留資格が改ざんされている恐れもあります。

偽造・改ざんを確認する場合は、出入国在留管理庁が提供するスマートフォンのアプリを使い、在留カードに埋め込まれているICチップを読み取りましょう。画面に表示された在留カードと提示された在留カードの内容が同じなら、改ざんや偽造の心配はありません。うまく読み取れない場合や内容が異なっている場合は、偽造・改ざんの可能性があります。

2. 有効期限は十分か

在留資格があっても、有効期限が切れているものは無効です。在留カードの表側・最下部に、有効期限の記載があります。万が一期限が切れていた場合は、「不法滞在者」ということです。当然ながらアルバイトとして雇うことはできません。

3.就労可能か

在留カード中央部には、「就労制限の有無」という項目があります。ここには、以下のいずれかの記載があります。

  • 就労不可:裏面に記載されている資格外活動許可欄に記載があれば、条件の範囲内で可能
  • 在留資格に基づく就労活動のみ可:「在留資格」の種類によっては可能
  • 指定書により指定された就労活動のみ可:指定所の内容によっては可能
  • 就労制限なし

コンビニなどで多く見かける留学生の在留カードは「在留資格に基づく就労活動のみ可」と書かれているのが一般的です。留学生の場合は、在留資格変更許可申請をおこなえばアルバイトとして雇用できる可能性があります。

外国人材をアルバイトで雇う際の注意点

外国人をアルバイトで雇う際は、法律に抵触しないかどうかあらゆる角度からチェックしなければなりません。外国人の採用を検討するとき、必ず確認したいポイントを紹介します。

1. 就労可能な在留資格を持っていることが条件

繰り返しになりますが、在留資格によってはそもそも就労が認められていません。プロフィールや経歴等をチェックする前に、「アルバイトとして働いてよいのか」を必ず確認してください。

また、先ほども触れたように、就労制限は「就労不可」と書かれていても、裏面の資格外活動欄に「許可」と記載があれば資格外活動許可が取得できています。その場合は、定められた条件・労働時間の範囲内でアルバイトとしての雇用が可能です。

2. 労働時間は週に28時間まで

身分系以外の外国人材は、「条件の範囲内でアルバイト可能」となるケースがほとんどです。たとえば、アルバイトに多い外国人留学生は、「資格外活動の許可」を受けてアルバイトすることとなるでしょう。

本来の在留資格以外で許可を得て労働する場合、「留学生は1週28時間以内」「就学生は1日4時間以内」と定められています。また学校が長期休暇に入る場合でも、留学生1日8時間以内と定められているため注意しましょう。

3. 雇用条件は日本人と平等にする

外国人をアルバイトとして雇用する際、日本人と差別することは許されません。給与や休暇・福利厚生など、日本人と同じ雇用条件を設定しましょう。

外国人も日本人も労働基準法の下では同じ「労働者」です。国籍の違いを理由に差を付けることは、労働基準法に抵触します。法律を遵守しなければ、「違法に雇用した」として罰則が課されてしまうので注意しましょう。

4. 外国人雇用状況の届出を提出

外国人を雇用した場合、アルバイト・正社員を問わず「外国人雇用状況の届出」の提出が必要となります。外国人雇用状況届は、外国人の氏名や在留資格、期間などの情報を記載して、雇用状況を厚生労働省に届け出る書類のことです。アルバイトとして外国人を雇用する場合、被保険者か被保険者以外かで提出期限が異なります。

  • 被保険者:雇い入れた日の翌月10日まで
  • 被保険者以外:雇い入れた日の翌月末日まで

なお提出方法は、管轄区のハローワークに提出する方法とオンラインで申請する方法があるため、都合のよい方法を選択しましょう。届出を怠ると罰則の対象になるので注意してください。

日本語能力に問題はないか

外国人を雇用する際に最も重要となるのが日本語能力です。接客業のようにお客様とコミュニケーションをとる場合は当然日本語能力が必要となりますし、それ以外の業種でも社内でコミュニケーションをとることが必要となるので、日本語能力は必須といえます。面接の際にきちんと日本語でコミュニケーションがとれるかチェックしておくようにしましょう。

優秀な外国人材を雇用したいなら特定技能人材もおすすめ

外国人を雇用するのであればアルバイトもよいですが、特定技能人材もおすすめです。

特定技能とは、人材が不足している国内の産業分野において、一定の専門性や技能を持っている外国人材を受け入れる制度です。指定されている産業分野には、介護分野や飲食業、宿泊業、建設業などさまざまな分野があり、幅広く外国人材を雇用できます。

特定技能人材は対応できる業務の幅が広いうえに、一定の専門性や技能を持っているため即戦力として働いてもらえます。また、特定技能人材になるためには日本語評価試験に合格する必要があるため、基本的な日本語でのコミュニケーションは問題なくおこなえます。

特定技能人材は原則として正社員として雇用する必要がありますが、特定技能で来日する外国人の多くは若年層であり、若くて向上心の高い人材が多いです。優秀な外国人材を雇用したいなら、特定技能人材の雇用も検討してみてはいかがでしょうか。

スキルド・ワーカーでは、特定技能人材採用から出入国の手続き、最大70種類にも及ぶ行政書類の作成、受け入れ後の支援計画まで、ワンストップでサポートする『特定技能外国人採用支援』をおこなっております。

安心できる専門スキルや日本語スキルを持った特定技能人材とマッチングし、定着・活躍するための支援も徹底フォローいたします。「特定技能人材に興味はあるけど、初めての採用で不安…」とお考えの企業様はぜひ一度ご相談ください。リクルートトップパートナーとして30年培ってきた採用ノウハウで、外国人材のベストマッチングを実現します。

外国人をアルバイトに雇う際は注意が必要

本記事では、外国人をアルバイトとして雇う方法や在留資格のチェックポイント、アルバイトとして雇用する際の注意点を解説しました。外国人をアルバイトとして雇う場合は、必ず在留資格・在留カードを確認しましょう。在留資格によっては「就労不可」です。就労不可の外国人を雇用してしまうと、雇用主もペナルティの対象となり、罰則が課されてしまうので注意しましょう。

業種・職種によっては、安定的な労働力を確保するのが難しくなっているのが現状です。採用の範囲を外国人にまで広げることが、労働力の安定的な確保につながるでしょう。雇用の前の審査・面接を適切におこない、外国人をアルバイトとして雇用してください。

優秀な外国人を雇用したいのであれば、特定技能人材もおすすめです。一定の専門性や技能を持っているため即戦力として働いてもらえます。若くて向上心の高い人材も多いので、ぜひ特定技能人材を検討してみてはいかがでしょうか。

外国人材の雇用をお考えの方へ

人材不足にお悩みの企業担当者に向けて、おもにネパール・インドネシアから人材を200名以上紹介してきたスキルド・ワーカーが、2019年から始まった特定技能制度や外国人紹介サービスの内容をまとめた「特定技能パーフェクトブック」を無料で配布しています。

特定技能の業種や受け入れた事例、どのような支援が受けられるかなど、外国人材の受け入れで把握しておくべき概要をすべて網羅した資料です。

即戦力をお探しの方、はじめての外国人材雇用を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

この記事をシェアする

この記事をシェアする

1完了!
簡単お問い合せ

採用担当者様お役立ち資料を
無料ダウンロード