今、あらためて振り返る「介護を伝える」ということ

介護特定技能研修について 2023.05.09

今、あらためて振り返る「介護を伝える」ということ

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ごあいさつ

読者の皆さんこんにちは、介護特定技能研修講師・ケアマネジャーの田端です。
今月もこの文章を読んでいただきありがとうございます。
梅雨入りしうっとうしい季節になってきましたね…
これくらいの季節から我々介護職は暑さによる脱水を気にするようになってきます。
水分摂取が適切に行えているか、ご自宅のエアコンや扇風機の空調の環境が整っているか、注意するポイントは多いです。
皆さんも油断せずに体調を整えて乗り越えていきましょう!

改めて「介護を伝える」ということ

1月から始まったこのプロジェクトもおかげさまで半年を迎えることができました。
シーズン2も終盤にさしかかり、改めて感じたことをまとめてみたいと思います。

介護の仕事の内容は、生活全般を支えるため、技術的な部分や考え方、知識などそれぞれの範囲が広く量が多くなります。仕事に就くまでの限られた時間であり、仕事としての介護の経験が無い人に向けてどの部分まであらかじめ伝えたらよいか?介護のどんな部分をまず伝えればいいのか?試行錯誤した結果、やはり「あたたかさ」「笑顔」「思いやり」の3つを中心に据えた事は間違っていなかったと確信しています。

介護の技術や仕事の流れを理解していくことは現場に入った後のOJTで習得するのが一番理解が深まりやすいです。ただ仕事を「こなす」「回す」ことばかり考えるようになると介護の真髄からは遠ざかってしまいます。そこに寄り添うような気持ちを持ってもらうことが介護という仕事の醍醐味であると考えます。
先日読書をしている時、「忠恕」(ちゅうじょ)と言う言葉を初めて知りました。あたたかさと思いやり、という意味でした。私が伝えたいのは忠恕の気持ちなのかもしれない、と改めて気付かされました。

車いす

実際に仕事で使う道具を実際に体験してもらうシリーズとして、とろみ剤やパットなどに続き、今回は車いすを教室に持ち込んで実際に操作してもらいながら注意点を説明する時間を設けました。やはり仕事で実際に使う物を体験してもらう講義は反応が良く、盛り上がりました。車椅子に座っている人の視線の高さの違いなど実際に体験することで車いすに座って過ごす人の気持ちがわかるようになり、お互いの気持ちが分かる、相互理解につながる手ごたえを感じました。

実際の仕事では毎日のように使うことになり、何気なく使い日常に溶け込んでしまう道具ですが正式名称や正しい使い方を覚える事は介護福祉士試験の勉強にもつながる大事な部分です。仕事のひとつひとつや毎日の仕事の中に介護福祉士取得への学びがある、一日も無駄にせず学んでほしい、そうした考えが伝わってほしいと思います。

介護福祉士試験について

特定技能外国人の皆さんが、介護の仕事に就いた後に目標として持って欲しい3年後の介護福祉士取得。これを意識付けをするような内容もシーズン2には加えてみました。

ここから介護福祉士取得へは3年間が必要です。その間の取り組みはスケジューリングが大事だと考え、まず1年目は「介護の日本語」を覚えることを目標にしましょう、と伝えました。みなさん生活上の日本語は問題ありませんが、やはり「介護の日本語」をおぼえる、仕事で使いこなす、ということは難易度が高くなってきます。
まずは仕事に慣れる、そして「介護の日本語」を1つでも多く覚えていくことを目標にして欲しいなと考えました。その中で今回はまず「尊厳」という言葉を1つだけ覚えてほしい、と伝えました。

「尊厳=尊重 価値あるもの、尊いものとして大切に扱うこと」と調べると出てきます。

「尊厳」という言葉は、私たち日本人同士でもどんな意味か説明せよ、となるとどう説明したらよいか悩む言葉ではないでしょうか。そして介護とはどんな仕事ですかと聞かれてもうまく説明することは難しいと思います。
介護することによってその人の尊厳を守る、という考え方が非常に重要です。
ただ食事を取ることを手伝う、トイレに一人では行けないのを助ける、お風呂に入れないのを手伝う、という行為だけを指して介護ではないのです。そこにはもっと崇高なその人の尊厳を守る、その人が生きているという価値を守るのだ、という思いを持つことが大事なのです。

これからの日本の介護は、日本人、特定技能外国人が心を一つに支えていかなければなりません。新型コロナウイルスが落ち着けば、恐らく外国人の介護職が急増します。
数を増やすだけでなく技術を伝えるだけでなく「心」を伝えて行きたいとあらためて考えました。
これからも私たちの試行錯誤の中から見えてきたものを発信していきたいと思います
よろしくお願いいたします 。

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