特定技能2号とは?現状と実態から見る実際のハードルと採択率【完全解説】
介護外国人労働者特定技能 2025.04.09

日本で働く外国人材の選択肢として注目されている「特定技能2号」。制度自体は導入から時間が経過していますが、実際に取得している人はごくわずかであり、その実態や要件についてはあまり知られていません。特定技能1号との相違点や、移行に際して求められる技術レベル、日本語力、在留資格としての特徴など、クリアすべきハードルも多岐にわたります。
本記事では、特定技能2号の概要から最新の採択状況まで、制度の全体像をわかりやすく解説します。制度を正しく理解し、取得を目指すための第一歩としてぜひ参考にしてください。
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特定技能2号とは
特定技能2号とは、専門的な知識や高い技能を持つ外国人材が、日本国内で中長期的に働くことを認める在留資格です。2019年に創設された特定技能制度の一部で、主に特定技能1号の上位資格という位置づけになります。
労働力不足が深刻な業種において、即戦力としての人材確保を目的にしており、より高度な業務を担う人材が対象とされています。現在は制度開始から数年が経過しましたが、取得者数はまだ少なく、その背景には厳しい移行要件や試験制度など、さまざまなハードルが存在しているのが実情です。
2号の対象分野と特徴
特定技能2号の適用対象となる産業分野は、制度がスタートした当初、「建設業」と「造船・舶用工業」の2つに限られていました。これらは特に人手不足が深刻であり、かつ継続的な技術継承が求められる業種であるため、長期的な雇用を前提とした人材受け入れが求められていた背景があります。その後、2023年6月に閣議決定により、特定技能2号の対象業種に介護以外の11業種が追加されました。今後はさらなる業種でも認定される可能性があります。
2号の大きな特徴は、在留期間の更新制限がなく、一定の条件を満たすことで家族の帯同も認められる点です。これにより、日本での生活基盤を築きながら、安定した就労が可能となります。技能水準についても、即戦力として求められるレベルよりさらに高く、専門的かつ熟練した技術が求められるため、取得への道のりは簡単ではありません。
1号との違い
特定技能1号と2号の主な違いは、在留可能な期間、家族の帯同可否、そして必要とされるスキルレベルにあります。1号では原則として最長5年間の滞在が許可されており、家族の帯同は原則認められていません。それに対し、2号は更新制であるため、条件を満たせば事実上の長期滞在が可能となり、配偶者や子どもを日本に呼び寄せることも認められています。これにより、安定した生活基盤の構築がしやすくなっています。
技能レベルにおいても、1号は基本的な業務が遂行できるレベルであるのに対し、2号では高度な実務経験や専門的知識が求められます。そのため、1号から2号へのステップアップには、実務経験の積み重ねや技能評価試験の合格など、明確な基準をクリアする必要があります。
特定技能2号の在留資格としての位置づけ
特定技能2号は、日本国内での中長期的な就労を希望する外国人材に対して認められる「就労系」の在留資格のひとつです。制度上は、あくまで「専門的・技術的分野における人材の確保」を目的としており、単純労働とは異なり、高度で熟練した作業が求められる業務が対象です。特定技能1号の上位にあたる資格であることから、実務経験や技術水準において高い能力が必要です。また、受け入れる企業側にも適切な労務管理や支援体制が求められています。
また、制度としては出入国在留管理庁が主導する形で運用されており、対象分野も限られているため、現時点では取得者数が少ないのが現状です。しかし、今後の人手不足対策や制度見直しによって、より実践的な就労資格として広がっていく可能性も十分にあります。
家族帯同や在留期間の特徴
特定技能2号の大きな魅力のひとつは、在留期間に制限がなく、条件を満たせば継続的に滞在を更新できる点です。これにより、技能実習や特定技能1号と比べて、長期的な就労や将来設計がしやすくなります。期間の上限が設けられていないため、長期的なキャリア形成や生活設計が可能になります。
また、2号資格を持つことで、配偶者や子どもと一緒に暮らすことも可能になります。家族とともに生活できる環境が整うことで、働く外国人材にとっては精神的な安心感や生活の質の向上につながり、長く日本で暮らすうえでの大きなメリットとなります。ただし、家族帯同を希望する場合は、一定の収入水準や住環境など、生活基盤に関する条件を満たす必要があるため、準備を十分に整えることが求められます。
特定技能2号への移行ハードル
特定技能2号は、在留期間に上限がなく、家族を日本へ呼び寄せることも可能なため、外国人材にとって魅力的な在留資格とされています。しかし、その分、取得までの道のりは決して平坦ではありません。特定技能1号から2号へ移行するためには、一定年数の実務経験に加え、より高度な技能や専門知識が求められます。また、申請に際しては多くの書類や手続きが必要で、企業側のサポート体制も重要な要素となります。ここでは、2号への移行に立ちはだかる具体的なハードルについて見ていきましょう。
必要とされる技能水準と試験内容
特定技能2号では、特定技能1号よりもさらに高度な技能水準が求められます。具体的には、業務における熟練度や専門性が重視されており、長年の実務経験に基づく技術的判断力や、現場での指導ができるレベルの能力が必要です。そのため、対象となる職種ごとに定められた技能評価試験に合格することが条件となっており、内容はより実践的で専門的なものとなっています。
例えば、建設分野や造船・舶用工業では、作業の正確性や安全管理に関する知識、設備の操作スキルなどが問われる実技試験が実施され、特定技能1号よりも難易度が高い設定となっています。これらの試験は業界団体や関連機関が主導しており、合格には事前準備と十分な経験の積み重ねが欠かせません。
申請手続きと必要書類
特定技能2号への移行を申請する際には、出入国在留管理庁への在留資格変更申請が必要になります。この手続きには、受入企業と申請者本人の双方が関与し、所定の書類を揃えて提出しなければなりません。主な提出書類としては、在留資格変更許可申請書、雇用契約書、技能評価試験の合格証明書、実務経験を証明する資料、収入や生活状況に関する証明書類などが挙げられます。
さらに、家族帯同を希望する場合は、そのための追加書類や手続きも必要です。審査では、就労先での安定性や支援体制の有無、収入の妥当性などもチェックされるため、企業側にも一定の責任が生じます。申請から許可が下りるまでには時間がかかる場合があるため、早めの準備と的確な手続きを行うことが重要です。
実務経験の要件(特定技能1号からの移行条件)
特定技能2号へ移行するためには、特定技能1号としての実務経験が一定期間求められます。具体的な必要年数は職種によって異なりますが、少なくとも1号として複数年にわたり継続的に勤務し、現場での実践的な経験を積んでいることが前提となります。この実務経験は単に勤続年数だけではなく、どのような業務に携わっていたか、どの程度の熟練度を持っているかといった点も評価対象です。
また、移行に際しては、勤務先企業からの実務経験証明書の提出が必要です。証明書には業務内容や職歴、スキルの習得状況などが具体的に記載されていることが求められます。したがって、特定技能2号への移行には、継続した就労実績と、その中で得た高度な技能の裏付けが不可欠となります。
日本語能力に関する要件
特定技能2号の取得に関して、公式な日本語能力試験の基準は定められていません。ただし、実際の現場では高度な作業指示や安全管理を行うためには、一定の日本語理解力が求められます。特定技能1号では「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト」の合格が必要とされていますが、2号に関しては、ほとんどの業種でこのような言語要件が制度上で明記されていない一方で、現場でのコミュニケーション能力が問われることになります。
特に技術的な内容や業務上のリスクが関わる分野では、日本語での会話能力や文書理解力が不十分だと、安全上の支障をきたしかねません。そのため、企業側が独自に日本語能力を確認するケースも多く、日常的な会話はもちろん、業務に必要な専門用語を理解できるレベルの日本語力が求められているのが実情です。
給与水準に関する条件
特定技能2号では、受け入れ企業が外国人材に対して適正な給与を支払うことが義務づけられています。この給与水準は、日本人が行う同様の業務に対して支払われる額と同等以上でなければならず、労働者の権利保護という観点からも非常に重要な要素となっています。
具体的な金額の基準は設けられていないものの、職種や地域ごとの賃金水準に基づき、社会保険料や税金を適正に控除したうえで、生活に支障がない収入が保証されていることが必要です。企業が不適切な条件で雇用を行っている場合には、在留資格の更新が認められないケースもあるため、労働条件の整備は慎重に行わなければなりません。また、申請時には雇用契約書や給与明細の提示が求められるため、雇用主と労働者の間で明確な合意がなされていることも大切です。
特定技能2号の現状採択率データ
特定技能2号は、高度な技能を持つ外国人材の長期的な就労を可能にする在留資格として注目されています。しかし、実際の認定数や採択率についてはあまり知られていません。ここでは、最新の認定件数やその推移、さらに分野別の採択状況や傾向について詳しく見ていきます。
最新の認定件数と推移
特定技能2号の認定件数は、制度開始当初から非常に少数にとどまっています。出入国在留管理庁が公表したデータによると、2023年6月末時点での特定技能2号の在留外国人数はわずか数十名程度でした。この背景には、特定技能1号から2号への移行要件が厳しく、高度な技能水準や実務経験が求められるためと考えられます。しかし、2023年に特定技能2号の対象業種が拡大されたことから、今後の認定件数の増加が期待されています。
分野別の採択状況と傾向
特定技能2号の対象分野は、当初「建設業」と「造船・舶用工業」の2分野に限定されていましたが、2023年の制度改正により、外食業や宿泊業を含む11分野に拡大されました。この変更により、これまで特定技能2号の取得が難しかった業界にも、高度な技能を持つ外国人材の受け入れが可能となりました。特に建設業では、2022年4月に初めての特定技能2号認定者が誕生し、今後も他の分野での認定者増加が期待されています。
まとめ
本記事では、特定技能2号に関する基本情報、対象業種、特定技能1号との違い、在留資格としての位置づけ、家族帯同や在留期間の特徴、移行に必要な要件、申請手続き、現状の採択率データについて解説してきました。
特定技能2号は、高度な技能を持つ外国人材が日本で長期的に働くための在留資格であり、取得には厳格な要件が求められます。しかし、今後、対象分野の拡大や制度の周知により、さらなる活用が期待されます。特定技能2号の制度を活用しようとする企業にとって、本記事が理解の一助となれば幸いです。
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