外国人材の失業率と就職率は?離職の原因や定着のポイントを解説
介護外国人労働者 2025.01.12
「外国人材の就職率と失業率ってどのくらい?」
「外国人材を定着させるにはどうすればいい?」
企業としては、せっかく雇用した人材には長期的に定着して欲しいですよね。
近年、さまざまな産業で人手不足が深刻になっているなか、外国人材は不可欠な存在となりつつあります。しかし日本での外国人材が増えている一方で、離職率も高くなっており、定着させるのが難しいという問題が発生しています。
外国人材が離職すると、人手不足による業績の低下や企業の成長停滞につながるおそれがあります。そのため、人材を定着させるための企業側の取り組みが非常に重要となるでしょう。
本記事では、外国人材の就職率・失業率や離職してしまう理由、外国人材を定着させるためのポイントについて解説します。
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外国人材の就職率と失業率
近年日本では労働力不足が顕著で、さまざまな企業が人手不足に悩まされています。そんな問題を解決するために、外国人材を積極的に雇用する企業が増え、外国人労働者は年々増加しています。
厚生労働省が発表した「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末現在)」によると、現在の日本の外国人労働者数は2,048,675人です。国としても外国人材雇用を推進しており、特定技能制度の業種の追加や育成就労制度の実施などさまざまな取り組みがおこなわれています。外国人材の雇用は今後さらに発展していくと考えられるでしょう。。
しかし、一方で外国人材は離職率が高く、定着させるのが難しいという問題が発生しています。厚生労働省の調査によると、1年間で45.9%の外国人が離職しています。
外国人を積極的に雇用しても、定着していかなければ企業の人材不足問題は解決が見込めません。また、採用にかけたコストは全て無駄になってしまいますし、一から新たな人材を探して採用していくための時間・費用のコストもかかってしまうでしょう。
外国人材が離職してしまう理由はさまざまですが、その理由や原因を把握し、企業が取り組めることは実施していくことが重要です。
外国人材が離職してしまう理由
外国人材が定着しない理由としては、以下の4つが考えられます。
- 待遇や給与に不満がある
- 単純作業ばかりで飽きてしまう
- 人間関係や文化の違いにストレスを感じる
- 差別的な扱いを受ける
待遇や給与に不満がある
自身の働きにあった待遇がされていなかったり、給与をもらえていなかったりすることで不満を抱えている外国人材は少なくありません。とくに外国人材は、稼いだお金を母国の家族に仕送りしていることも多く、「懸命に働いてお金をたくさん稼ぎたい」という気持ちが強いです。そのため、自分の働きに対しての給与が少ないと感じれば、離職や転職を検討するケースが多くなります。
待遇面や給与面は、採用をおこなう前にしっかりと条件を擦り合わせ、お互い納得しておくことが非常に重要です。後々外国人材が不満を抱いたり、トラブルに発展したりすることを防げます。
また、一部の企業では、日本人従業員と外国人従業員で待遇や給与に差をつけているケースがあります。外国人材であっても、待遇は日本人と同等であることが必須です。企業は雇用している従業員の国籍に関係なく法律を遵守する必要があり、法律や規則を破ってしまうと処罰の対象となってしまいます。
単純作業ばかりで飽きてしまう
日本で就労を希望する外国人は意欲的な人材が多く、「学校で身につけたスキルを日本の仕事で存分に生かしたい」「日本で働いてスキルアップをしてお金をたくさん稼ぎたい」と考える人材が多い傾向にあります。
そのため単純な作業や業務を任せていると、「自分のやりたかったことと違う」と感じてしまい、定着率の低下につながってしまう可能性があります。外国人は日本人と比べて決断も早く、かんたんに離職・転職してしまうので注意が必要です。
人間関係や文化の違いにストレスを感じる
外国の文化はさまざまで、日本からすると理解しがたいものもあります。しかし、それは外国人からしても同じです。
たとえば、日本の企業の上司・部下の関係や、遅くまで残業して仕事するといったようなビジネスカルチャーは外国人材にとっては馴染みにくい場合があります。このような文化の違いからストレスを感じてしまい、離職のきっかけになってしまうかもしれません。
また、日本語を学んでいる外国人材でも、完璧に日本語を使いこなせるという訳ではありません。聞くのは得意でも話すのが苦手だったり、考えていることをどのように日本語で伝えればいいのかわからなかったりするケースも多いです。そのため、社内の従業員とコミュニケーショントラブルが起き、ストレスを感じてしまいます。外国人材が社内で孤立してしまうこともあるので、十分にサポートをおこなうことが重要でしょう。
差別的な扱いを受ける
これは決してあってはいけないことですが、一部の企業では外国人材に対して差別的な扱いをしていることがあります。たとえば、日本語が通じにくい状況で差別的な言動をしたり、業務に対して協力的でない態度をとったりなどです。また、企業として差別について注意していたとしても、外国人材の教育を担当する従業員が差別的な行動をとるケースも少なくありません。これらの差別的な扱いが外国人材の働く意欲を低下させ、離職の原因となってしまうのです。
外国人材が離職するとどのような影響を受ける?
外国人材が離職すると、日本の企業にとってはさまざまな影響がでるでしょう。
たとえば、人材不足による業績の低下が考えられます。せっかく人手不足解消のために外国人材を雇用しても、離職してしまうとまた人手が足りなくなります。その結果、生産性の低下や他の従業員の負担増加につながり、業績が低下・停滞してしまうおそれがあるでしょう。
さらに、離職した外国人材にかけたコストは全て無駄になってしまいます。また新たな人材を探して採用して育成していくためには、また時間・費用のコストがかかってしまうでしょう。
また、グローバル化や国際展開を考えている企業にとっては、企業の成長が停滞してしまう要因にもなりかねません。企業は外国人材の定着を重視し、彼らが働きやすい環境を整備することが重要です。
外国人材を定着させるためには
外国人材を定着させるためには、企業の取り組みが非常に重要です。ここからは定着率を高めるための施策について紹介します。
- 定期的に面談を設ける
- 給与体系や労働環境を見直す
- 社内でのコミュニケーションをサポートする
- 日本語の学習をサポートする
定期的に面談を設ける
外国人材とは定期的に面談をおこない、要望や不満をしっかり聞くようにしましょう。上司のマネジメントに関して不満を持っていることも多いため、そのような不満は自分からは話しにくいものです。外国人材の思いを十分に聞いてあげてください。そして改善できる部分は改善したり、担当の上司にもフィードバックしたりしましょう。
また、面談の際には、日本で生活するうえで何か問題がないかも聞いてあげましょう。場合によってはサポートをおこなってあげたり、問題を解決する行動を考えてあげたりする必要があります。
給与体系や労働環境を見直す
当然ですが、外国人だからといって低い給料で雇用しようとすると人材は定着しません。外国人材であっても、待遇は日本人と同等であることが必須です。
また、労働環境を見直すことも重要です。健康保険や厚生年金などの社会保険に加入させるだけでなく、休暇を取りやすくしたり、無理な残業を減らしたりなど、働きやすい環境を作ることに努めましょう。
成果に見合った給料を支払う、安心して働ける職場環境を整えることで、外国人材は仕事への意欲を高めて仕事に取り組んでくれるでしょう。
社内でのコミュニケーションをサポートする
十分なコミュニケーションが取れないことで業務指示などが伝わらず、仕事上でトラブルが起こってしまうことも少なくありません。また、コミュニケーションによる問題がハラスメントへとつながってしまう可能性もあります。
外国人材が孤立しないように、社内でのコミュニケーションを十分にサポートしてあげましょう。社内全体でコミュニケーションが取れるような機会の提供もしてあげると良いかもしれません。
また、既存の日本人従業員にも、研修を通じて外国人材の文化や価値観について情報共有をおこなってください。外国人材のことを知ることで円滑なコミュニケーションが促進され、より協力的で調和のとれた仕事環境になるでしょう。
日本語の学習をサポートする
外国人材を受け入れる企業は、日本語に関する学習をサポートすることが大切です。
外国人材の多くは一定レベルの日本語能力を備えています。しかし、業務において必要な日本語や日本語のマニュアルの読み取りをおこなうためには、より日本語の学習をする必要があるでしょう。
日本語能力が高まれば、より業務をスムーズに進められるだけでなく、働くうえでのコミュニケーションも円滑になります。社内でのコミュニケーショントラブルを防ぐことにもつながるので、外国人材の定着率向上に有効です。
まとめ
本記事では、外国人材の就職率・失業率や離職してしまう理由、外国人材を定着させるためのポイントについて解説しました。
日本での外国人材は増加傾向にありますが、一方で離職率も高くなっており、定着させるのが難しいという問題が発生しています。外国人材を定着させるためには、企業の取り組みが非常に重要です。定期的な面談の実施や労働環境の改善など、外国人材が安心して働ける環境作りを心がけましょう。
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