外国人介護福祉士の挑戦!

介護外国人労働者特定技能特定技能「介護」支援活動 2024.05.30

外国人介護福祉士の挑戦!

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ごあいさつ

読者の皆さんこんにちは、介護特定技能研修講師・ケアマネジャーの田端です。
今月もこの文章を読んでいただきありがとうございます。

春から初夏へと季節が移り変わっています。
日本各地で、花や新緑が美しい季節ですね。

過ごしやすい季節ですが、日中の気温は高くなる日が増えてきます。体が暑さに慣れていない時期なので、体調も崩れやすくなります。これから来る夏に向けて、こまめな水分補給や軽い運動を行い暑さに少しづつ慣れていきましょう。

来月は6月で梅雨時期にもなります。雨対策や災害対策も必要です。
今年はどこの地域でも大雨の被害がないことを願うばかりです。

外国人で介護福祉士を取得した方のお話を聞いてきました

先日岐阜県の施設で働くミャンマー人の方が昨年の介護福祉士試験に見事合格した、とのことでお話を聞く機会をいただきました。

技能実習生として来日し現在は特定技能で勤務しており施設のサポートもあり実務者研修を修了しそのまま試験対策講座も受講していたとのことでした。

実務者研修の中で実際に介護計画を立案するなどの書類作成が特に大変と話されていました。
そして医療の知識、特に身体の仕組みを改めて日本語で学び、どうしてそうなるのか、という理由まで含めて説明できる知識を得ることも難しかったこととして挙がっていました。

サポートしていた日本人の方の言葉で印象的だったのが実務者研修や試験対策講座をあえて外国人向け、とせず日本人に教えるのと同様のカリキュラムで行ったとの言葉でした。確かに外国人向けに全ての漢字にふりがなをふるなど配慮は近年進んでいますが試験内容は日本人も外国人も同じです、あまり外国人に向けてわかりやすくしようとしない姿勢は私の勉強会にも参考になる意見でした。

身体の仕組みを知ろう

例えば体の中を巡っている血液について、みなさんは正しく説明ができるでしょうか?やはり「なぜ、そうなるのか」という理由まで、身体の仕組みを踏まえて説明できることは大事です。

血液の流れには2種類の循環があります。
心臓から全身に回り、心臓に戻ってくる体循環と心臓から肺に行き、心臓に戻ってくる肺循環です。
体循環では、心臓から出た血液は動脈を通って体の隅々まで運ばれます。

動脈を流れる血液は、運んできた酸素と栄養分を周りの組織に渡します。そして、周りの組織から二酸化炭素や老廃物を受け取って静脈を通り心臓に戻ってきます。

私たちが日頃測っている血圧は、心臓から送り出された体循環の血液が血管内を通る時に血管の壁を押す圧力のことです。

血圧計では最高血圧と最低血圧、そして脈拍が表示されます。

最高血圧は、心臓が血液を送り出すために、心臓を収縮させた時の圧力で、収縮期血圧・最大血圧とも言われます。
最低血圧は、心臓の筋肉がもっとも広がったときの圧力です。この時、心臓内に血液が取り込まれます。拡張期血圧・最小血圧とも言われます。

血圧の正常値は、家庭内血圧(自宅で図る血圧)が最高血圧135mmHg未満/最低血圧85mmHg未満。診察室血圧(病院などで図る血圧)が最高血圧140mmHg未満/最低血圧90mmHgとされています。

脈拍はからだの各部の血管が一定の時間に拍動する回数です。不整脈などがない人の場合は、心臓の拍動1回はからだの隅々に「脈拍」として伝わるため、”心拍数=脈拍数”となります。
脈拍を測定することで、心臓のリズムや健康状態を評価することができます。

大人の正常な安静時の脈拍は、1分間に60~100回です。
脈拍も個人差がありますが、運動状態や体調によって変動します。運動や身体活動をしている場合や緊張しているときなどは脈拍は上昇します。

脈拍は心臓の機能や血行状態を反映しているので異常な脈拍は、心臓や体の健康上の問題のサインの可能性があります。

定期的に血圧や脈拍を測ることで、その人の健康状態を知ることができ、病気の予防や早期発見に役立てることができます。

こうした基礎的な知識を踏まえてなぜ毎日決まった時間に熱、血圧、脈を計るのか、どんな変化に気が付かなければならないのかなど、資格を取るための知識ではなく、大事な人達を守るための知識として活用できるようになってほしいと願います。

虐待・身体拘束・ハラスメント

介護の仕事の考え方で「尊厳の保持」と「自立支援」を大事にすることは重要な視点です。
私たちの勉強会では『尊厳』という言葉を『その人らしさ』と言い換えています。
介護をすることで、「生きているという価値を守る」「これからの日常を守る」ことを大切にしています。

「尊厳を守る」ことを介護現場で具体的に実行する時に必要とされるのは虐待・身体拘束・ハラスメントを防止する知識です。

介護の仕事に慣れた後に介護福祉士取得への勉強を開始することも大事ですが私は同時にこれらの知識を学び、業務の中に活かせるようになることもそれ以上に大事だと考えています。

今は介護従事者へこれらの定期的な教育も義務付けられています。
内容を簡単に紹介しますので今の時代に生きる人としての基礎知識としてご参考にしていただけたら幸いです。

介護現場での虐待は、直接的な暴力による身体的虐待、言葉による心理的虐待、性的虐待、経済的虐待、ネグレクト(介護放棄)などがあり、家庭内や介護施設など閉ざされた環境で発生する可能性があります。

身体拘束は、「本人の自由な行動を制限すること」です。身体拘束は人権侵害とみなされ緊急のやむを得ない場合を除き行ってはならないものです。

身体拘束が無くならない理由として、「本人の転倒転落事故を防ぐ必要がある」など安全面を重視し過ぎる理由や、人出不足など環境の要因を理由とする場合もあります。

やむを得ない、と判断し一時的に、と始めた身体拘束が常時の拘束となってしまう悪循環もよく発生します。に陥ってしまう前に、自立支援や職員間の心理的安全性の確保など「よい循環」に変えることで防いでいくことが身体拘束防止の基本です。

虐待や身体拘束を無くすためには、施設・ 事業所の組織に所属する全ての人々がコミュニケーションを深めることで共通の認識を持ち、虐待や身体拘束廃止と防止に向けた取り組みを定期的に見直して改善していくことが必要です。

しかしそうしたコミュニケーションに潜むリスクとして近年様々なハラスメントが問題となっていることは周知の事実だと思います。そのため介護現場における様々ハラスメントを知り、防止となる知識や実行策を学ぶ必要も増してきています。貴重な「人財」を守る責務であるとも言えるます。

ハラスメントにも様々な種類のものがありますが、相手に対して言葉や行動などで嫌がらせを行う事がハラスメントです。
ハラスメントを行った側にそうした気持ちがなくても、相手に苦痛を与える・傷つける・不利益を与える行為はハラスメントになります。

「思いやり」=「相手の気持ちになって考える」という言葉も繰り返し教えています。シンプルな言葉ですが「思いやり」の意味を改めて再定義することがとても重要であると強く感じています。

「和を以て貴しとなす」という普遍的で伝統的な日本の価値観にもつながっているのではないでしょうか。

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