介護は東南アジア諸国の未来に必要!そう確信した視察旅行でした!
外国人労働者特定技能特定技能「介護」支援活動特定技能研修について 2025.02.28

ごあいさつ
読者の皆さんこんにちは、介護特定技能研修講師・主任ケアマネジャーの田端です。
今月もこの文章を読んでいただきありがとうございます、今月もどうぞよろしくお願いいたします。
さて先月予告した通り、2月の9日から13日にかけて、ベトナムへ視察旅行に行ってきましたのでその報告をしたいと思います。
個人的には約20年ぶりの海外旅行、そして人生初の東南アジア方面ということでワクワクしながら準備を年末から進めていきました。
今回は私を含めて8名のメンバーで、
ベトナムにある日本語学校や看護介護について学ぶ大学、特定技能の送り出し機関、老人ホームなどを2泊3日の予定で視察するというものでした。
結論から言いますと素晴らしい時間を過ごすことができ、行ってよかった!と胸を張って言える、大変貴重な経験ができました!
ベトナムの歴史
行きの機内でちょっとだけベトナムという国について調べてみました。ベトナムは、古代からさまざまな王朝や外国の影響を受けながら発展してきた国とのことでした。
紀元前に存在した伝説のフン王朝から始まり、長い間、中国の支配を受けていました。しかし、10世紀に独立を果たし、以降は李朝や陳朝などの王朝が続きました。
19世紀にはフランスの植民地となり、日本が一時的に統治した時期もありました。
第二次世界大戦後、ホー・チ・ミン率いるベトナム民主共和国が独立を宣言し、フランスとの戦争を経て独立を勝ち取りました。
その後、冷戦の影響で南北に分断され、1960年代にはベトナム戦争が勃発。最終的に1975年に北ベトナムが勝利し、国は統一されました。
現地でガイドさんが教えてくれた歴史でも「戦争が長く続き、男達は兵隊となり家にいなかった、その間家庭を守り、時には一緒に闘った女性へのリスペクトが国全体にある」という言葉が印象に残りました。
争乱の時代を経て社会主義国でありながら1986年に始まった「ドイモイ(刷新)政策」により、市場経済を導入し、急速な経済成長を遂げています。
そんな事を調べているうちに到着し、空港から外に出ると社会主義国の冷たさとアジアらしさに溢れた雑踏と空気感が混じり合っていて、19世紀にフランスの植民地となっていた影響を感じさせる趣きのある建造物の数々、さらに発展の真っ只中である国を支えている人々の活力が混ざりあい日本にかつてあったであろうエナジーが渦巻いていてなんだかワクワクしてきました。
ベトナムの未来
予定通り視察を進めていくと「20〜30年前の介護保険制度が始まる直前の日本と似通った状況だよ」という言葉を多く耳にしました。
ベトナムの平均寿命は近年伸び続けており、2023年時点で約73.7歳とされています。
男性は約71.1歳、女性は約76.5歳で、特に女性の平均寿命は東南アジア地域でも高い水準にあります。
一方で、高齢化の進行も急速です。
2024年時点で60歳以上の人口は1,420万人で、総人口の約14%を占めています。2030年には1,800万人に達し、さらに2036年頃には65歳以上の人口割合が14%を超え「高齢社会」に突入すると予測されています。
「日本や中国は国が発展してから高齢化を迎えた、ベトナムは国が発展しながら高齢化を迎える」という言葉もよく聞きました
ベトナムの高齢者の健康問題は深刻です。
ベトナムの高齢者は平均3〜4種類の慢性疾患を抱えており、特に80歳以上では6種類以上の病気を持つケースもあります。
これにより、医療費の増加や介護負担の増大が社会的な課題となっています。
ベトナム政府はこれに対応するため、地域医療の充実や予防医療の推進、介護人材の育成など、多角的な施策を進めています。
このように医療と介護が一体になり対策が進められているのを感じることが多かったです。
ハノイの郊外にある広大な敷地に病院と医療・介護について学べる大学を建設中のところも視察させていただきました。
さらに完成したばかりの超富裕層向けの高級ホテルのような老人ホームも視察しました。
プールや日本のスーパー銭湯のような施設と併設しているなど介護保険制度がないからこそのアイディアに溢れていました。
いかに普段、介護保険制度に捉われた発想しかできていないなぁと我が身を省みていました…
画像は郊外の老人ホームの受付です。
拝見したホームページも老人ホームというよりはホテルのような印象を受けるものでした。
介護のノウハウが必要とされる時代がすぐそこに
視察以外にもベトナムの美味しい食べ物や街並みを楽しむ時間もありました。
そんな時にベトナムのみなさんが日本に持っているイメージを感じることができました。
国民感情としては親日嫌中のような印象を受けます。
これはベトナムと日本とのこれまでの関係性、経済や医療の分野で深い関係を築いていることが大きいようでした
ベトナムにおける戦後の経済発展において、日本は重要な役割を果たしてきており特に、日本のODA(政府開発援助)によってホーチミン市の地下鉄建設や橋梁整備が進められ、インフラの発展に大きく貢献しています。
日本語を学んでいる若者達はみんな真っ直ぐな眼差しで覚えたばかりの日本語で一緒懸命挨拶してくれました。
こうした希望あふれる海外の若者の自己実現への想いと2025年問題を迎えさらにあらゆるソリューションを活用して乗り越えていきたい日本の介護現場とのマッチングの必要性は高まっていくと感じております。
私達、日本の介護従事者が学び、日々積み上げている経験は必ずこれから介護が必要となる外国に大きな貢献ができることを確信しました、今外国人人財を受け入れている法人もそのノウハウを蓄えていることは強みになります。
希望と大きな使命感を持ってこれからも前に進んでいきましょう!