「伝わる介護」の第一歩を! 職員への教育を見直す5月に

介護特定技能特定技能「介護」特定技能研修について 2025.04.24

「伝わる介護」の第一歩を!  職員への教育を見直す5月に

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ごあいさつ

読者の皆さんこんにちは。介護特定技能研修講師・主任ケアマネジャーの田端です。
今月もこのコラムをご覧いただき、ありがとうございます。

私事で恐縮ですが昨年度、半年間務めさせていただいた高校の非常勤講師を急遽今年度も務めさせていただくことになり再登壇してきました。

外国人とはまた違った介護を学ぶ高校生との交流は新鮮で新たな刺激になります。
現場の経験を伝えることでお役に立てるように奮闘していきます!

4月に咲き誇った桜も、あっという間に新緑となり、季節の移り変わりの早さを感じる頃となりました。
日中は汗ばむような陽気の日が増えてきましたが、朝晩との寒暖差も大きく、体調を崩しやすい時期でもあります。
どうぞご無理なさらず、お体を大切にお過ごしください。

新たなスタートから1ヶ月が経過

新年度が始まり1か月が経ち、4月に入職した新しいスタッフも、少しずつ職場の雰囲気や業務に慣れてきた頃かと思います。
しかしこの時期には、「教え方が難しい」「なかなか伝わらない」「どうしても定着しない」といった声が、現場から聞かれるようになります。
こうした悩みは、日本人スタッフ・外国人スタッフを問わず、決して珍しいものではありません。
それぞれが持つ背景や習慣、理解のスピードが異なるため、一律の教え方ではなかなか対応しきれないのが現実です。
その背景には、言語や文化、価値観の違いだけでなく、私たち“教える側”の教育体制や意識のあり方も深く関係しています。

伝わったことが全て

多くの施設では、OJT、いわゆる現場での指導に重きを置いています。
見て覚える」「先輩の背中を見て学ぶ」といった指導スタイルは実践的ではありますが、特に言語に不安を抱える外国人スタッフにとっては、大きな負担となる場合があります。

さらに、使用されるマニュアルが難解な日本語で書かれていたり、抽象的な言い回しが多かったりすると、理解が遅れたり、誤解を招くことも少なくありません。
では、どうすればよいのでしょうか。今、介護現場に求められているのは、“伝える”だけでなく“伝わる”ための教育です。

例えば、「やさしい日本語」を使うことは非常に効果的です。
介護現場でよく使われる専門用語や独特の言い回しも、より平易な表現に言い換えることで、理解度が大きく変わります。

例えば、「排泄介助」を「トイレのお手伝い」と表現するだけでも、伝わり方が格段に変わります。
また、文字情報だけでなく、イラストや写真を用いた教材を活用することで、視覚的な理解を促すことも可能です。
さらに、ベトナム語やインドネシア語など、スタッフの母語に対応した学習ツールの普及も進んでいます。

言葉に頼らない「実技中心」の指導スタイルも有効で、一緒に動きながら体で覚えるアプローチは、現場感覚をそのまま伝える手段として非常に適しています。
言語に不安のある方でも、自信を持って業務に取り組めるようになります。

このような工夫は、外国人スタッフに限ったものではありません。

日本人の新人職員に対しても、わかりやすく丁寧な説明や、曖昧さを排除した指導は非常に重要です。
特に若い世代においては、かつての「察して学ぶ」文化が通じにくい場面も多くなっています。

言葉と行動を明確に結びつけ、具体的に教える姿勢が求められます。

伝わったことが全て」私が最近好んで使っている言葉です。

実は息子がお世話になっている少年野球チームの教えで出てきた言葉を私が気に入って勝手に使っています。

でもコミュニケーションの本質をすごく突いている、と感じています。

大切なことは…

そして何よりも大切なのは、教える側の意識です。
なぜ伝わらないのか」を相手のせいにするのではなく、「どうすれば伝わるのか」を考える姿勢こそが、現場を変える第一歩です。

特定技能で来日した外国人職員も、私たちと同じく“現場を支える大切な仲間”です。文化の違いを知り、理解しようとする姿勢は、お互いの信頼関係を築くために欠かせません。

5月は、新人育成が本格化する重要な時期です。このタイミングで、教育のあり方を見直し、「伝わる教育」への第一歩を踏み出すことは、職員一人ひとりの成長、そして施設全体の質の向上につながるはずです。

教えるということは、私たち自身が学び直す貴重な機会でもあります。 相手に「伝わる」ことにもっと意識を置いて、手段や言葉を選んでいく
“伝える”から“伝わる”へ。「伝わったことが全て」を意識して
これからの介護現場をより良くするために、今できることを少しずつ積み重ねていきましょう

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