特定技能人材が田舎から都会へ転職している?人材流出の理由や流出を防ぐポイントを解説

介護外国人労働者 2025.02.16

特定技能人材が田舎から都会へ転職している?人材流出の理由や流出を防ぐポイントを解説

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近年、日本の産業において特定技能人材は欠かせません。さまざまな業種で外国人の姿を見かけるようになっており、その存在は必要不可欠となっています。

しかし最近では、田舎から都会への転職が増加しており、田舎の特定技能人材の確保が厳しい状況となっています。より高い賃金やよい労働条件を求めて転職したり、安定した給料をもらいながら都会で楽しく過ごしたいという思いから転職したりなど、その理由はさまざまです。

もちろん転職の自由は保障されるべきですが、企業としてはせっかく雇用した人材には長期的に定着して欲しいはずです。そのため、企業は人材の流出を防ぐための取り組みが非常に重要となります。

本記事では、特定技能人材の田舎から都会への転職が増加している理由や、人材の流出を防ぐポイントについて解説します。

特定技能人材の田舎から都会への転職が増加している?

特定技能制度は2019年に設けられた制度で、年々増加の一途をたどっています。制度が導入されて数年、多くの外国人が日本で働き始めました。出入国在留管理庁のデータによると、2024年の6月末時点で特定技能在留外国人数は251,747人となっています。(1号が251,594人、2号が153人)

しかし、さまざまな業種で特定技能人材が活躍している一方で、田舎では人材の流出が大きな問題となっています。都会への人材流出が増加しており、田舎・地方の企業は人材不足が解消されない事態になっているのです。

データから見ても都会と地方の人材の数の差は歴然です。以下は、特定技能1号在留外国人のベスト3・ワースト3の都道府県です。

ベスト3

都道府県

人数

1位 愛知県

20,740人

2位 大阪府

16,553人

3位 埼玉県

15,520人

ベスト3

都道府県

人数

1位 秋田県

412人

2位 鳥取県

595人

3位 島根県

735人

参照:主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数

特定技能制度は、外国人材の活動の幅を広げる目的もあるため、転職も自由におこなえるようになっています。しかし、せっかく受け入れた外国人には長期的に定着してほしいものです。採用にかけたコストは全て無駄になってしまいますし、一から新たな人材を探して採用していくための時間・費用のコストもかかってしまうでしょう。

もちろん転職の自由は保障されるべきですが、企業はできるだけ田舎からの人材流出を防ぐ取り組みをおこなうことが重要です。

なぜ田舎から都会へ転職するのか?

田舎から都会へ転職する外国人材の理由はさまざまですが、主に以下の3つが挙げられます。

  • 都会の方が賃金がよい
  • よりよい労働環境で働きたい
  • 都会の方が楽しそう

都会の方が賃金がよい

もっとも多いのは「都会の方が賃金がよいから」という理由です。

日本で就労している外国人材は「たくさんお金を稼ぎたい」というハングリーな気持ちで来日している人材も多いです。また、外国人材は稼いだお金を母国の家族に仕送りしていることも多く、「お金をたくさん稼いで家族を幸せにしたい」という気持ちが強くなっています。そのため、今よりも賃金を得られる企業があれば、より高い賃金を求めて転職してしまうおそれがあるのです。

よりよい労働環境で働きたい

働きやすい労働環境を求めて転職するケースも多くなっています。外国人材は労働環境や福利厚生などを意外とチェックしており、「自身の働きにあった待遇か」「損をしていないか」をかなり気にしています。そのため同じような業務内容で、今よりよい労働環境・待遇が準備されている都会の企業があれば、かんたんに転職してしまうおそれがあるのです。

また、特定技能は、技能実習2号を修了してからステップアップとして移行する外国人も多くいます。技能実習の場合は転職が原則不可とされていますが、特定技能へ移行する際に転職をおこなうことが可能となっています。そのため、田舎に技能実習として働いていても、特定技能になるタイミングで「さらに労働環境の良い場所で働きたいため都会に転職したい」というケースもかなり多くなっています。

外国人は日本人に比べて意欲的な人材が多く、転職についてあまり深く考えていないことが多いです。「今よりよい賃金を得たい」「今より環境にいきたい」という程度の考えなので、かんたんに転職を決断してしまいます。

都会の方が楽しそう

外国人材のなかには、純粋に都会の方が楽しそうという考えで転職するケースも少なくありません。日本人からすると「そんなことで?」と思われるかもしれませんが、外国人材は自分のプライベートも大事にすることもかなり重視しています。

たとえば、日本だと「仕事が第一優先」という考えの人もいて、本来は休みの日に時間外労働をおこなうケースも少なくありません。しかし外国人は、「休みの日は仕事のことを忘れてしっかり遊ぶ」という考えの人が多く、また違った価値観を持っています。

そのため外国人は「都会の方が活気もあって日常が楽しそう」と考え、より楽しい生活・刺激的な生活を求めます。先ほども触れましたが、やはり都会の方が高い賃金も得られる可能性も高いので、より高い賃金を得ながら楽しい生活を送るために都会に転職するのです。

特定技能人材の流出を防ぐには?

特定技能人材の転職は自由ではありますが、やはり企業としては受け入れた人材に長く働いて欲しいですよね。ここからは人材の流出を防ぐ5つのポイントについて解説します。

都会の労働条件をチェックして自社の労働条件を見直す

外国人材たちは都会の企業をチェックして、今より労働条件や賃金がよくなる企業への転職を検討します。そのため、流出を防ぐためには都会の労働条件をチェックして自社の労働条件を見直す必要があるでしょう。

もちろん経営に悪影響を与えるほどよくする必要はありませんが、都会の企業と同等の労働条件にすることは求められるでしょう。労働条件を見直して外国人材が意欲的に働ける環境を作ることで、今後の人材確保・安定的な経営に大きな影響を与えます。

賞与や社会保険などの福利厚生を充実させる

賃金だけでなく、福利厚生を充実させることも重要です。賞与や社会保険、健康保険、退職金など、安心して就労できるような環境を整えておきましょう。

ただし外国人材は、自社の福利厚生の内容をあまりわかっていないことが多いです。どのような福利厚生があるのか、必ず雇用契約の締結時や事前ガイダンスの際に解説をおこなってあげてください。また、国籍に合わせた母国語で作成した書類を作ってあげるとさらに理解が深まります。自分がどのような福利厚生を受けられているのか理解できれば、自社の福利厚生に満足してもらえるでしょう。

住居・寮の準備や家賃の負担をおこなう

業務以外の生活におけるサポートも重要になります。定められている義務的支援では「住居確保・生活に必要な契約支援」となっていますが、住居・寮・社宅の準備、家賃の負担、入居費用の企業負担などもおこなってあげてください。

住居の準備や家賃の負担などをおこなうことは、外国人材が実質的に使えるお金を残してあげることにつながります。外国人材のお金の不安を払拭したり、生活を豊かにすることにつながったりするので、外国人材の満足感は高くなるでしょう。

割増賃金を設ける

時間外労働や休日労働に対する割増賃金についても設けておくようにしましょう。割増賃金の支払いは、労働基準法に基づいて日本人労働者と同等におこなう必要があります。

外国人材のなかには、残業や休日労働を積極的におこなってたくさんお金を稼ぎたい人材も少なくありません。割増賃金について設けておけば、外国人材は月々の給与をあげることが可能となるのでかなり魅力的です。

まとめ

本記事では、特定技能人材の田舎から都会への転職が増加している理由や、人材の流出を防ぐポイントについて解説しました。

特定技能人材は都会への流出が増加しており、田舎・地方の企業は人材不足が解消されない事態になっています。より高い賃金やよい労働条件を求めて転職したり、安定した給料をもらいながら都会で楽しく過ごしたいという思いから転職したりなど、その理由はさまざまです。

無理に引き止めることはできませんが、企業としては人材の流出を防ぐためのアクションをおこなっていくことが求められます。都会の企業との違いをチェックしたり、特定技能人材が求めていることを理解したり、人材が定着するための取り組みをおこなっていきましょう。

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